2008-01-01から1年間の記事一覧

一切をお裁き下さい (下)

詩編26篇1-12節 (2) 私たちは先週、クリスマス礼拝を守り、イヴの礼拝も多くの人たちと守って、イエスの誕生を喜び祝いました。祝会があのような心に残る会になるとは思いませんでしたし、イヴ礼拝があれほどいい集いになるとも思いませんでした。…

一切をお裁き下さい (上)

詩編26篇1-12節 (序) 今年は自然災害が多くありましたし、不幸な事件も多く起りました。その上政治の停滞があり、世界的な大不況が今も深まりつつあって、どこまで深刻化するのか、失業者がどこまで出るのか分からない状況です。 しかしまた、過ぎ去…

飼い葉桶のキリスト (下)

ルカによる福音書2章1-7節 (3) イエスは、ユダヤのベツレヘムで生まれました。ガリラヤのナザレからベツレヘムまで百数十キロあります。マリアは臨月を迎えた身重の体ですが、有無を言わせぬ勅令に従って彼らは旅しました。 ベツレヘムに留まる間に産…

飼い葉桶のキリスト (上)

ルカによる福音書2章1-7節 (序) アメリカでは今、ルーズベルト大統領が新しく注目されています。世界的な未曾有の不況が進む中で、彼が行なった大胆なニューディール政策に再び学ぶためです。 その墓碑銘には、「彼は暗闇を呪うことよりも、ろうそくを…

あなたは誰を待っていますか (下)

(今日の写真は、テゼのブラザー・エリックの「受胎告知」。テゼのホームページから。) ルカ福音書2章36-38節 (3) さてアンナは、「エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した」のです。 聖書を見ると、イスラエルの民は長い長…

あなたは誰を待っていますか (上)

ルカ福音書2章36-38節 (序) 今朝も雨の中を散歩しましたが、最近町を散歩しますと、椿がかわいい丸顔の子どものような蕾(つぼみ)を幾つもつけています。花もありますが、まだ緑の固い蕾や唇がちょっと赤く染まったのも無数にあります。皆、自分の…

マリアという若い女性 (下)

ルカによる福音書1章26-38節 (4) ところが彼女は、本当に不思議ですが、「私は主のはしためです。お言葉通り、この身になりますように」と語ったのです。 神様がお与えになる信仰の贈り物は、人間がいくら努力しても、逆立ちしても、願っても、どの…

マリアという若い女性 (上)

ルカによる福音書1章26-38節 (1) クリスマスは大きさから始まりません。小ささから始まります。小さい町、名も知れぬ、誰も相手にしないナザレという町から始まります。この名前は旧約聖書にも、外典にも、当時の歴史書にも出てきません。イエスの…

あなたは真理に導かれる (下)

ヨハネ6章12-15節 (4) とっくに社会に出ながら、また家庭やれっきとした職場も持ちながら、「自分はこんな所でいつまでウロウロしているんだろう」と思う人があるかも知れません。まだ、自分のあるべき所に着いていないというか、人生で行うべきこ…

あなたは真理に導かれる (中)

ヨハネ6章12-15節 (2) イエスは世を去るに当たって、すでにヨハネ15章で、有名な、「ぶどうの木のたとえ」を語られました。「私はぶどうの木、あなた方はその枝である。人が私につながっており、私もその人につながっていれば、その人は豊かに実…

あなたは真理に導かれる (上)

ヨハネ6章12-15節 (序) アドベントの灯(ともしび)が1つつきました。今日からアドベントが始まります。普通ならローソクが灯される筈が、どうして赤いランプやみどりの木の枝などが置かれているのか、不思議に思われる方があるかもしれません。最…

最後に明らかになる姿 (下)

マタイ25章1-13節 (3) 今日の聖書には「賢いおとめ」と「愚かなおとめ」とが出てきます。ここを読んで、賢いおとめが尊ばれ、愚かなおとめが差別されていると感じる人があるでしょうか。賢いおとめは特別可愛がられているように感じ、愚かな人は頭…

最後に明らかになる姿 (上)

マタイ25章1-13節 (序) 今日は「最後に明らかになる姿」という恐ろしい題をつけました。最後に明らかにされる自分の姿、素顔。最後というのは、終末という意味です。終末に自分の本当の姿が暴露される。 自分がつけた題ですが、題を目にして、私など…

この家に救いが来た

ルカ19章1-10節 (序) 先ほどは、子どもたちがこの一年も守られたことを感謝し、次の一年も祝福を与えられるようにと一人ひとり、額に祝福の油を塗って祝福式をしました。今日は、小さい人たち向きにお話しをと役員会で言われていますので、小学生の…

プロテスタント日本伝道163年 (下)

使徒言行録14章1-7節 (3) さて、今日は「プロテスタント日本伝道163年」という題です。しかし、プロテスタントの最初の宣教師が来日してから、来年で150年になるとも言われます。1859年、安政6年に江戸幕府が外国に3つの港を開港し、遂…

プロテスタント日本伝道163年 (上)

使徒言行録14章1-7節 (1) 民族や国家の垣根を越えることは大変なことです。今では日本でも国際結婚が盛んですが、それでも色んな偏見がありますし、外国人が日本社会で暮らすには習慣が根本的に違うので、誤解と共に、外国人への拒否反応が今でも各…

創造性の源 (下)

ガラテヤ5章13-26節 (4) 「肉の業」について語った後、パウロは「霊の結ぶ実」というのを対置しています。神の霊は私たちの中で一つの実を結びますが、その実は色々な側面、色々な表情を持っています。それが、「愛、喜び、平和、寛容、親切、善意…

創造性の源 (上)

ガラテヤ5章13-26節 (1) イエスはヨハネ福音書で、「私の言葉のうちにとどまるならば、あなた方は本当に私の弟子である。あなた方は真理を知り、真理はあなた方を自由にする」と言われました。キリストに留まる時に私たちは真理を知るのです。この…

一羽の雀にも心をとめる神

マタイ10章29-30節 (1) イエス様は、今日の箇所で、「2羽の雀が1アサリオンで売られているではないか。だが、その1羽さえ、あなた方の父のお許しがなければ、地に落ちることはない」と、おっしゃっています。 1デナリオンは労働者1日分の賃金…

神の働きにあずかる (下)

使徒言行録1章6-8節 (前回からつづく) ノーベル平和賞が、フィンランドのアハティサーリという人が受賞することになったそうです。G7のことがあって、その報道が片隅に追いやられました。新聞やテレビで紹介されないことを申しますと、この方は青年…

神の働きに与かるとは (上)

使徒言行録1章6-8節 (1) 今日は、約10年ぶりに来られたAさんとご一緒に礼拝を守れることを大変うれしく、喜んでいます。 さて、先ほどお読みくださった直ぐ前の所に、復活のイエスは、40日にわたって弟子たちに現われて神の国について話されたと…

エレミヤという男 (下)

エレミヤ書1章1-13節 b) 客観的にエレミヤは傑出した男でしたが、先ほど触れたように、自分はその任に堪えない器だと辞退しました。私は若者で、王や民衆に向かって語れるような人間ではありません。そういう強さも説得力も、正当性も持っていません…

エレミヤという男 (上)

エレミヤ書1章1-13節 (1) この頃は、散歩に出ますとどこからか金木犀の香りが漂ってきます。路地に入ると、民家に沿って並べられている植木鉢や小さな花壇にホトトギスの花や、色んな色の小菊が咲いています。春も花の種類は多いですが、やがて一年…

人類の始めを越えて (下)

ルカ24章50-53節 (3) さて、イエスの祝福を受けた弟子たちは、天に上げられる「イエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、絶えず神殿の境内にいて神をほめたたえていた」とありました。 弟子たちはこの時、初めて地に頭をつけて、復活のイ…

人類の始めを越えて (上)

ルカ24章50-53節 (1) 今日の聖書はルカ福音書の最後の箇所ですが、ここに、復活のイエスは弟子たちを「ベタニアの辺りまで連れて行き、手を挙げて祝福された」とありました。 ベタニアは、イエスの一行がエリコの町からエルサレムに入城する前に、…

世界は一つの家族 (下)

エフェソ2章14-22節 (3) エフェソ書1章には、「教会はキリストの体」であるとあります。また別の箇所には、教会の頭はキリストであり、私たちはキリストの肢体であるとあります。また今日のところには、教会は、「使徒と預言者という土台の上に建…

世界は一つの家族 (上)

エフェソ2章14-22節 (1) ユダヤ人たちは、その長い歴史の中で、自分たちは神の「契約の民」であるという独特な信仰を抱きました。それで、彼らは周りの国々や諸宗教との違いを大変強調しました。そして、自分たちは神によって選ばれた民、神の選民…

老いに光あり(下)

イザヤ書46章1-4節 (前回からつづく) 今日は、「老いに光あり」という題です。老いというと人生の晩年を指しますが、老いは老人にだけ当てはまりますが、晩年は老人だけではありません。30歳で亡くなっても晩年はあります。20歳でも晩年という言…

老いに光あり (上)

イザヤ書46章1-4節 (1) 今日の最初の所に、「ベルはかがみ込み、ネボは倒れ伏す」とありました。ベルもネボもバビロニアの偶像の神です。ベルはパレスチナではバールの神として祀られた男の神です。ネボは女の神です。ベルとネボは、いつも同時に出…

何を恐れているのですか (下)

ルカ12章29-34節 (2) 私たちは誰しも、安定した、安全な生活を求めます。それは本能的な欲求です。しかし、そのことがあるために貧しくなることを恐れ、安全な生き方に過度にしがみつき、そして、それが金にしがみつき、富裕であることに執着し、…