2011-01-01から1年間の記事一覧

平和の宣言

聖母子像(ウイーン・ステファン教会の名品) ・ 平和の宣言 (下) ルカ2章8-14節 (3) 御使いとその万軍は、「栄光神にあれ」と神を賛美しましたが、それと共に、「地に平和、御心に適う人にあれ」と歌って平和を宣言しました。 地に平和。この地球…

テゼ共同体に一貫してきたもの

この夏、世界各地からテゼにやって来た若者たち ・ 平和の宣言 (中) ルカ2章8-14節 (2) テゼのブラザー・ロジェの本が死後に次々出されて、幾つかの良い本が出回り、それを取り寄せてこの数年励まされています。その一冊は日々の座右の書になって…

被災地の方とキリスト

ラファエロの聖母子像(ウイーンの美術史博物館で) ・ 平和の宣言 (上) ルカ2章8-14節 (序) リフォーム後初めてのクリスマスを迎えました。これまでの会堂は床板が薄くて床から寒さが上って来ましたし、窓からは隙間風が入る寒々したものでしたが…

愛を選ぶ

リヨン美術館で ・ 信仰、愛、希望 (下) Ⅰテサロニケ1章2-4節 (2) パウロは4節で、「神に愛されている兄弟たち、あなた方が神から選ばれたことを、私たちは知っています」と書いています。信仰、愛、希望の源は、この神の恵みの選びにあります。 …

福音の3姉妹

リヨン美術館で ・ 信仰、愛、希望 (上) Ⅰテサロニケ1章2-4節 (序) パウロは深い信仰の思想家、大伝道者ですが、それと共に祈りの人です。それは祈りの人であられたイエスの姿を継いでいます。その祈りは自分のためにだけ祈るのでなく、このテサロニ…

イエスと明珠在掌

シェーンブルン宮殿の庭で ・ 腕を伸ばす神 (下) 出エジプト6章1-9節 (5) 今日の所に、「私は主である」とありました。「私は、アブラハム、イサク、ヤコブに全能の神として現れたが、主という私の名を知らせなかった」ともありました。6節にも、…

原発の愚かさ

リヨン美術館で ・ 腕を伸ばす神 (中) 出エジプト6章1-9節 (2) イスラエル人たちは過酷な重労働に呻(うめ)き、神に訴えたのです。すると神は、アブラハム、イサク、ヤコブと立てた契約を思い出され、彼らを重労働の下から導き出し、奴隷の身分か…

この世と聖書の見方の違い

リヨン美術館で ・ 腕を伸ばす神 (上) 出エジプト6章1-9節 (序) 今日の聖書はモーセ時代の出来事です。今から約3200年前のエジプトです。イスラエルの人たちは、アブラハム、イサクそしてヤコブ、このヤコブの時代に、ですから更に430年ほど…

イエスと父ヨセフのDNA関係

リヨン美術館にて ・ 父祖たちの歩んだ道のり (下) マタイ1章1-11節 (2) いったいこの系図は、何を私たちに告げるのでしょうか。これは福音でしょうか。喜ばしい訪れでしょうか。それともイスラエルの父祖たち、その歩んだ道のりへの厳しい告発で…

人生最大の難問

リヨン美術館で ・ 父祖たちの歩んだ道のり (上) マタイ1章1-11節 (序) 予告では今日は11節までにして、12節以降は次回に回し、イエスの系図を2度に分けてお話ししようと思っていましたが、一度に17節までお話しすることに致します。それで…

光を証しする人

リヨン美術館で ・ 光を証しする人 (下) ヨハネ1章1~9節 (3) だが、バプテスマのヨハネは自分を輝かせようとしません。自分は「光ではない」、「その方の靴紐(くつひも)を解く値打ちもない者だ」と語って、ただ光だけを証しするのです。 社会の闇…

天才がだぶついている

リヨン美術館で ・ 光を証しする人 (上) ヨハネ1章1~9節 (序) 2011年のアドベントは今日から始まります。皆さまと主のご降誕を待つ1カ月を過ごすことができるのは、嬉しいことですし、美しいことです。私は青年時代からほぼ50回、アドベント…

インドのハンセン病院で

リヨン美術館で ・ 関係の中で生きる (下) Ⅰテサロニケ1章1節 今、「希望をもって忍耐し」と申しましたが、これは3節の言葉です。テサロニケ教会は、息詰まる重苦しい忍耐をしていたのではありません。希望が彼らの顔を明るく輝かしていました。試練は…

神の沈黙と信仰

リヨン美術館で ・ 関係の中で生きる (上) Ⅰテサロニケ1章1節 (1) テサロニケ第1の手紙はパウロの現存する最古の手紙です。西暦50年の夏頃にコリントの町で書かれただろうと思われます。コロサイ書に続き、これから時々、ご一緒に学び続けたいと思…

ブッダも、神の愛の中で生まれた

リヨン美術館で ・ とこしえの愛 (下) エレミヤ31章3節 (2) さてエレミヤは、「私は、とこしえの愛をもってあなたを愛し、変わることなく慈しみを注ぐ」という神のみ言葉を聞いたのです。この「私」は神を指しています。1行目の「私」はエレミヤ自…

70男なのに愚かですね

リヨン美術館で ・ とこしえの愛 (上) エレミヤ書31章3節 (序) 今日は、私たちの教会に関係し、教会員として御許に召された兄弟姉妹を覚えて永眠者記念礼拝をしています。また現在出席している方々の亡くなられたご家族も神様のみ前で覚えています。…

弱さに宿る力

リヨン美術館で ・ キリストの力が宿る時 (下) Ⅱコリント12章7-10節 (2) パウロの経験は、私たちに光を投げかけています。というのは、私たちはしばしば自分の弱さをどう扱えばいいのか分からなくなるからです。弱さの中で、自分がどんなに脆く壊…

希望の芽が弱さの中で見えている

リヨン美術館で ・ キリストの力が宿る時 (上) Ⅱコリント12章7-10節 (序) 12章1節から今日の10節までには、「誇り」という言葉が7回ほど出てきます。大変多いですね。 「誇り」という漢字は、跨ぐという漢字の親戚です。誇りは言篇ですが、…

鎖につながれても

リヨン美術館で ・ 鎖につながれても (下) コロサイ4章14-18節 (3) さて17節には、コロサイにいるアルキポへの伝言を記しています。「アルキポに、『主に結ばれた者として委ねられた務めに意を用い、それをよく果たすように』と伝えて下さい。…

S.ジョブズへの絶賛と闇

リヨン美術館で ・ 鎖につながれても (上) コロサイ4章14-18節 (1) 今日はコロサイ書の最終です。15、16節にある回章の手紙、回覧の手紙の意味については前回触れましたので、それは飛ばし、今日は14節と17、18節からお話しさせて頂き…

光が当たると輝きだす旧約聖書

リヨン美術館のゴッホの作品 ・ 神との出会いの場所 (下) エゼキエル45章1-9節 (2) 次に6節以下に、まことの君主の幻が出てきます。これもキリストの予型ともいうべきものです。 まことの君主の領域は聖なる献納地、聖域と、都の所有地、俗なる世…

湧き水が流れでる神殿

リヨン美術館にあるルノワールの名画 ・ 神との出会いの場所 (上) エゼキエル45章1-9節 (序) 今日は旧約聖書のエゼキエル書からみ言葉を聞きましょう。預言者エゼキエルは、イエスより600年ほど前の人で、エレミヤと同時代の預言者です。彼は紀元…

ユーモアをもってベストを

リヨン美術館で ・ ユーモアをもってベストを (下) フィリピ4章11b-13節 (2)私は最近、ある英語聖書が、「どんな状況に置かれても、ベストを尽くすことを学びました」と訳し、更に、「キリストの助けを得て、私はどんなことにも立ち向かうのです…

パウロと「吾(われ)ただ足るを知る」

リヨン美術館で ・ ユーモアをもってベストを (上) フィリピ4章11b-13節 (序) きのう、今日と区民祭にあわせてバザーをしています。バザーとかバザールという言葉は、元はペルシャ語で市場を意味しています。しかし教会バザーという時には本来、…

人生の恥ずかしい一章

オランジュ古代劇場の上空を飛ぶ鳩の群れ ・ 恩寵(おんちょう) 二つ 詩編65篇2-14節 (4) ただ、ここが大事ですが、この詩編の強調点はここにはありません。この詩編の信仰者は、意地悪で、陰湿な人ではありません。現実に生きる人間として、自分…

素敵なお茶友だち

プロバンスの田舎町、オランジュの民家 ・ 恩寵(おんちょう) 二つ 詩編65篇2-14節 (1) …さて、本題に入りますが、大自然における神の恵みは、6節以下で次のように歌われていました。「あなたの恐るべき御業が、私たちへのふさわしい答えでありま…

イギリスの収穫感謝祭

オランジュの凱旋門(西暦前)のレリーフ ・ 恩寵(おんちょう) 二つ 詩編65篇2-14節 (序) 今日は詩編を中心にして、最後にローマ書を学びたいと思います。題は「恩寵二つ」としています。この65篇には、神の2つの恩寵、2つの恵みが語られてい…

100歳の日野原重明さんも同じことを説く

世界遺産を2つ持つ町オランジュのバザールはプロバンス地方一体を巡回するバザールです。 おじさんが作った自家製のオリーブは絶品でした。思わずフランス人のお客さんに勧めました。 ・ 家の教会の人たちに (下) コロサイ4章12-18節 (4) エパフ…

私にはオーラなどないが

オランジュの古代劇場。客席は1万人ほどが入れます。日差しが強くスタジアムに長時間おれません。 ところが客席の下は分厚い石造りの通路になっていて心地よい風が吹き抜けていました。 古代ローマ人は時々ここで涼みながら芝居を見たようです。 ・ 家の教会…

郷里伝道をしたエパフラス

リヨン美術館で ・ 家の教会の人たちに (上) コロサイ4章12-18節 (序) 昨年4月から1年半かけてコロサイ書をご一緒に学ぶことができました。このことは本当に感謝でした。この年齢ですから、恐らく2度とこの書全体を時間をかけてご一緒に学ぶこ…