再び立ち直ったら


                       ノートル・ダム大聖堂を覚えて 6      右端クリックで拡大





                                                   背後の祈り (中)
                                                   ルカ6章12‐16節



                                (2)
  どうして、夜を徹する程の重い、真剣な祈りをされたのでしょう。そのきっかけは、12人の選びの直前の、6章の最初で、イエスとファリサイ人たちの安息日論争がありましたし、それに続いて、イエス安息日に手の萎えた人を癒されたのをきっかけに、律法学者やファリサイ人が、「怒り狂って、イエスを何とかしようと話し合った」とあります。怒り狂ってイエスを抹殺しようとした。

  それほど酷い人間の頑迷固陋さ。ファリサイ派など宗教者たちの感情的で露骨な怒りが表面化する中で、祈りに祈って、神と相談しながら、12使徒を選ばなければならないと考えられて、途中では色々な事が起こっても、最後にはいかなる状況にも屈しない、状況がどんなに変わっても信仰を貫く、また誘惑も超えうる、何よりも裏切らない者として、おそばに置き、伝道に遣わすためでした。最終的にはその様な歩みに至ることになろう12使徒です。

  私たちが信仰に導かれ、父と子と聖霊の名によって洗礼を受け、キリスト者になった所にも、私たちそれぞれへのキリストの、背後からの祈り、神の選びの祈りがありました。その背後からの祈りに信頼して生きるなら、私たちもいかなる状況にも必ず支えられ、必ず導かれて行くでしょう。私たち自身はまことに弱いのですが、私たちの背後にもイエスの熱い、尊い、祈りがあるのです。背後から、イエスの熱い命が注ぎ込まれているのです。それが、神の恵みの選びであり、強くない、へばりそうな私たちを励まし、支えて、前進させてくれるのです。

  ですから、ペトロはやがて挫折しますが、ペトロのように私たちもたとえ挫折することがあっても、イエスは、「私はあなたの信仰がなくならないように祈った」と私たちにも言われます。また、「だから、あなたが再び立ち直ったら、兄弟たちを力づけてあげなさい」と、私たちを励まし支えられるのです。



        (つづく)

                                           2019年5月12日



                                           板橋大山教会  上垣勝



  ヤフーの板橋大山教会ホームページは、2019年3月31日で終了しました。

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