歴史の夜明けのために


                       ノートル・ダム大聖堂を覚えて 5      右端クリックで拡大





                                                   背後の祈り (上)
                                                   ルカ6章12‐16節



                                 (1)
  イエスの12使徒たちはイスラエルの12部族と関係があります。彼らはこれまでの古いイスラエル民族でなく、新しいイスラエルの12部族を象徴するものとしてイエスによって選ばれた人たちで、教会の原型になって行きます。今日は、教会の原型をなすこの12使徒たちの、イエスの選びから学ぼうとしています。

  先ずイエスが、「祈るために山に行き、神に祈って夜を明かされた」とあります。私たちは行楽のために山に行ったりしますが、むろんイエスは、単に山に行って夜明かしをされたのでありません。夜を徹して神に祈られたのです。英語ではヴィジルと言って、徹夜の祈りが一つの単語になっているほど、これは重要です。徹夜で聖書を読み続ける位なら出来るでしょうが、夜を徹して祈り続けるには、並大抵でない精神の集中力と持久力を要するでしょう。

  イエスは神のみ心、ご自分と神との関係、ご自分の使命について、神に祈られたのでしょうが、12使徒の選びについても祈られたのです。それはイエスが世に来られたことによって世界の歴史に新しい夜明けが訪れたからであり、12弟子たちがイエスの福音を世界に広めることによって、今後の人類と世界の歴史に対して、また一人一人の生き方にも重大な影響を与えることになるからです。

  そのためにイエスは夜を徹して祈り、「朝になると弟子たちを呼び集め、その中から12人を選んで使徒と名付けられた。」祈った末、夜明けと共に弟子たちを呼び集め、12使徒を選ばれたのです。

  ですから、彼らは自分の意志で勝手に使徒になったのでなく、イエスの徹夜の祈りを背後に持ち、イエスが神との相談の末に選ばれた人たちだと言っていいでしょう。それは神の恵みの選びです。勿論、彼らはこの選びに率先して喜びをもって従ったのです。

  いずれにしても彼ら12使徒らの存在根拠は、自分自身の中になく、イエスと神の中にあるという非常に深い恵みの選びに根拠を持つ人です。またその選びは生涯、死ぬまで続く、終身のものでした。

  使徒は、アポストロスという言葉ですが、使命をもって遣わされる者。使節や使者を指す言葉で、聖書では、キリストの使者として選ばれ、その職を委任されて遣わされる者です。


        (つづく)

                                           2019年5月12日



                                           板橋大山教会  上垣勝



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