人に従うのでなく神に従います


       ポターが愛した散歩道を約1時間歩きやっと人家が見える村に出ました。。    右端クリックで拡大
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                                               荒波を越えて行く (中)
                                               使徒言行録5章27-42節


                                 (1)
  すると、今日の個所になり、最高位の大祭司が威儀を正し、厳めしく、「あの名によって教えてはならぬと、厳しく言い渡しておいた筈だ。それにも拘らず禁止を破り、エルサレム中に教えを広め、あまつさえあの男の血の責任を我々になすり付けようとしている」と責め立てました。

  ところがペトロと使徒たちは、物おじしないどころか、29節の言葉を述べたのです。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。わたしたちの先祖の神は、あなたがたが木につけて殺したイエスを復活させられました。神はイスラエルを悔い改めさせ、その罪を赦すために、この方を導き手とし、救い主として、御自分の右に上げられました。わたしたちはこの事実の証人であり、また、神が御自分に従う人々にお与えになった聖霊も、このことを証ししておられます。」

  当時の最高法院は厳粛な厳(いか)めしい建築物です。普通の人間はそこに入るだけで足が震えます。ユダヤ教の宗教組織は厳格、厳正を期す宗教国家の権力を掌握しています。

  だがペトロたちは、彼らに、「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。」字義通りに言いますと、「神への服従は、人間への服従の上にあります。」服従の優先順序は、先ず神であり、その後に人間であるべきですと述べたのです。言葉を変えていえば、人間は福音を縛ることは出来ません。人間は神の上に立つことは出来ないのです。私たちは神の福音に従う故に自由ですと言い切ったのです。

  今の天皇が3年前に退位を申し出て、天皇にも人権がある筈ですから、だが例外として受理され、この度天皇の交代になって、明日の今頃に元号が発表されるようです。今日、明日の都内は平成最後の桜が満開でしょう。天皇も人間であり、神ではない事。戦前に憲兵の前でこう語れば、直ちにぶん殴られて拘束され、裁判もなく惨殺されたでしょう。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません」とは、うっかり言えなかったのです。

  ペトロたちもイエスに関し、大祭司や議員の前で、「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません」とは、うっかり言えない事でした。しかし彼らはそれを大胆に語り、更に、私たちと皆さんに共通する先祖の神は、皆さんが木につけて殺したイエスを復活させられたのです。神はイスラエルを悔い改めさせ、罪を赦すために、この方を導き手とし、救い主として、御自分の右に上げられました。私たちはこの事実の証人であり、神が御自分に従う人々にお与えになった聖霊も、このことを証ししていますと堂々と語った。

  彼が語ろうとしているのは、私たちはあなた方を一方的に責めているのではありませんという事です。確かに皆さんはイエスを木に掛けて殺しました。だが、神は皆さんを悔い改めに導き、皆さんの罪を赦すためにこのお方を甦らせ、復活させられたのです。これが皆さんと私たちの信じる神の御心です。私たちはこの事の証人であり、聖霊もこの事を証しして下さっています。

  私たちは単純にこれを証をしているだけです。事実を事実として述べているだけで、事実の証人です。私たちは事実を曲げる訳にはまいりません、という事です。

  神はイエスの側におられます。イエスの味方です。悔い改めて、イエスの側に、さあ、こちら側においで下さい。神は、悔い改める機会と罪が赦される機会を与えるために、この方を神の右にお挙げになったのです。

  ここに、「聖霊も、この事を証ししておられます」と語っているように、ペトロは聖霊に導かれて語ったと言っていいでしょう。あの朴訥なガリラヤの漁師がここに至るまでに、幾多のつまずき、失敗、試練、悲しみ、変容を遂げ、荒波を乗り越えて来たのです。聖霊が彼らをつくりかえて来られた。他の弟子たちも同様です。

       (つづく)

                                           2019年3月31日




                                           板橋大山教会  上垣勝



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