変化は真っすぐ進まない


  ヒル・トップのポターの家のリビング。絵本に登場する暖炉の前でポターも多くの時間を過ごしたことでしょう。
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                                                 地を超える福音 (下)
                                                 イザヤ55章1-11節



                                 (4)
  今日は8節以下の、予定していた「地を超える福音」という所までお話しすることができませんでした。後半は少し触れて終わります。6節、「主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。呼び求めよ、近くにいますうちに。」

  ここで語られている事は、先程お話ししたことに含まれています。主を尋ね求め、主のみ言葉に聞き従う。主が私たちの近くにおられる時に尋ねなければ、時を逸する可能性があるでしょう。今は恵の時です。今の時を逃してはならないのです。

  8節以下は、神の思いと人の思いの大きな隔たりです。「天が地を高く超えているように、わたしの道は、あなたたちの道を、わたしの思いは、あなたたちの思いを、高く超えている」とあります。

  その隔たりにも拘らず、神は人を救うために低く降って、み子を世に遣わされました。すなわち主のご降誕です。「雨も雪も、天から降れば空しく天に戻ることはありません。」必ず大地を潤し、草木に芽を出させ、生い茂らせ、種蒔く人には種を与え、食べる人には糧を与えます。そのようにみ子はこの世で実りをもたらすのです。

  「むなしく」という言葉が2度出てきます。神の言葉が実現しないなら虚しさが起こります。不安と不信仰が生まれるでしょう。だが「むなしく」天に戻らないと2度にわたって繰り返されるのです。神のみ心は決して空しくならない。

  アメリカ前大統領オバマさんのミッシェル夫人が、先日イギリスでこんな話をしていました。バラク・オバマの8年間で過去数百年間のアメリカの黒人の歴史が塗り替えられると思っていた。だがその考えは甘かった。間違っていた。トランプ政権が登場したからです。それで今は、たとえ一時は後退しても、かつての前進が現実ではなかったことを示すものではないという所に、しっかり足場を据えていると言うのです。

  変化は真っすぐには進むわけではないこと。神のみ心を疑わないなら、一時は後退に見えても後退がかえって前進への備えになると信じようという呼びかけです。希望を失うなという貴い呼びかけでした。イザヤが語るように、「むなしく天に戻らない」のです。

  「そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も、むなしくは、わたしのもとに戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ、わたしが与えた使命を必ず果たす。」

  神から遣わされた独り子イエスは、地上で虐(しいた)げられた多くの人を愛し、励まし、最後は十字架に付けられます。しかしその愛は決して無駄になりません。むしろ一粒の麦が死んで多くの実を結ぶのです。イエスにおいて神の救いは実現していきます。

  今日は、その独り子の誕生を待つ、待降節第2週を迎えたのです。


        (完)


                                                    2018年12月9日



                                              板橋大山教会  上垣勝





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