異言と預言


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                                         愛を追い求めよう (中)
                                         Ⅰコリント14章1-5節



                               (2)
  さて今日の個所は、愛を追い求めることから、「霊的な賜物、特に預言するための賜物を熱心に求めなさい」という所に移って、預言と異言のことがほぼ14章全体で取り上げられます。

  聖書で言われる預言は、将来のことを前もって語る予言でなく、言葉を預かると書きます。神の御心を神から預かって語ることです。自分の時代や教会に語られている神のメッセージは何かを語る賜物が、預言の賜物と呼ばれています。そのような賜物を熱心に、沸騰せんばかりに求めなさいというのです。

  それに比べ異言は、何が語られているのか他の者には分かりません。本人は何かに取り憑かれたように夢中で語りますが、普通の言葉ではありません。アアアアアアというような単調な声で叫んでいるだけ、あるいは奇声を発して何かをしゃべっているかのようですが、他の人にはチンプンカンプン、サッパリ分かりません。

  ですから彼は、「異言は霊によって神秘を語っている」と異言を語る人を一応受け入れるものの、「預言する者は、人に向かって語っているので、人を造り上げ、励まし、慰め、教会を造り上げる」のに対して、異言を語る者は自分を造り上げるだけであるというような事を言って、「教会を造り上げるためには、預言する者の方がまさっています」と、今日の5節で説いたのです。

  更に6節以下でこう語ります。「だから兄弟たち、わたしがあなたがたのところに行って異言を語ったとしても、啓示か知識か預言か教えかによって語らなければ、あなたがたに何の役に立つでしょう。笛であれ竪琴であれ、命のない楽器も、もしその音に変化がなければ、何を吹き、何を弾いているのか、どうして分かるでしょう。ラッパがはっきりした音を出さなければ、だれが戦いの準備をしますか。同じように、あなたがたも異言で語って、明確な言葉を口にしなければ、何を話しているか、どうして分かってもらえましょう。空(くう)に向かって語ることになるからです。 世にはいろいろな種類の言葉があり、どれ一つ意味を持たないものはありません。だから、もしその言葉の意味が分からないとなれば、話し手にとってわたしは外国人であり、わたしにとってその話し手も外国人であることになります。」

  また16節以下で、「仮にあなたが霊で賛美の祈りを唱えても(即ち異言で語っても)、教会に来て間もない人は、どうしてあなたの感謝に『アーメン』と言えるでしょうか。あなたが何を言っているのか、彼には分からないからです。 あなたが感謝するのは結構ですが、そのことで他の人が造り上げられるわけではありません。わたしは、あなたがたのだれよりも多くの異言を語れることを、神に感謝します。しかし、わたしは他の人たちをも教えるために、教会では異言で一万の言葉を語るより、理性によって五つの言葉を語る方をとります。」

  要するにパウロは、教会では神の御心が語られることで、自分の非を悟らされたり、心の内に隠されていることが明るみに出されて、結局は神の前にひれ伏す人たちが誕生する。その時、信仰によって人の徳が高められ、人間が造り上げられ、教会が立てられると言うのです。教会はキリストによって慰められ、生きる希望が授けられて、人々が造り上げられて行く場所でなければならないということでしょう。

  「預言する者は、人に向かって語っているので、人を造り上げ、励まし、慰めます」と語られていることは重要です。神の言葉を頂いて語ることは、人を造り上げ、人の徳を高めることです。御言葉には私たちの心を見分けたり、造り上げたり、人を育て力があるのです。それと共に、「預言する者は教会を造り上げる」とも言われています。御言葉が語られる時には、教会という共同体が造り上げられ、信仰の仲間たちが互いに励まし合うキリストの体が造られて行くと語っているのです。

  先程の老婦人がベッドの中でしておられた事は、教会にまで体を運ぶことが出来なくなっても、ベッドの中から教会を造り上げ、教会を立ち上げる業をしておられたと言っていいでしょう。


        (つづく)


                                       2018年10月7日

                                       板橋大山教会  上垣勝



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