腕っぷしの強い者
ブルゴーニュのワイン農家の姉ちゃん 右端クリックで拡大
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同じ神の働き （上）
Ⅰコリント１２章１－１１節
（序）
今朝は嬉しいですね。久しぶりにＡさんが見えていますし、Ｂさんも来られました。讃美歌にＢさんの歌声がハモっていました。他にも何回目かの方もおられて嬉しく思います。礼拝が始まる前は、避暑地の教会みたいに出席者が三々五々で、ガランとしていましたが、多くの方と礼拝できるのはやはり嬉しいです。
（１）
パウロは、コリントに教会を作りましたが、そこを去ってからも、この教会がキリストにあって喜びをもって活発に活動し続けることを願ってやみませんでした。やがて教会に困難な問題が起こると、仲間を遣わしたり、何度も手紙を送って励ましました。それがこの第１、第２の手紙になりました。教会がギリシャ人社会で精神的な灯台になり、希望を与えるものになって欲しかったからです。
彼はこの手紙の最初で、「神の愚かさは人よりも賢く、神の弱さは人よりも強い」と語りました。彼は、人の賢さよりも神の愚かさの方に掛けたのです。これは凄い言葉だと思います。また、「神は地位のある者を無力な者とするために、世の無に等しい者、身分の卑しい者や見下げられている者をあえて選ばれたのです」と語っていますが、この言葉はこれまで世界の多くの人たちを激励しました。そして、「誰一人、神の前で誇ることがないようにするためです」と、有力者や地位ある人たちに挑戦するような言葉で福音を説き、心を低くして世に仕えるように説いたのです。
それは、コリント教会に、知恵を誇り、富を誇り、家柄や能力や世の力を誇る人たちが入って来、教会がおかしくなっていると伝え聞いたからでもあります。
彼は１１章までで多方面にわたって論争的に書いた後、今日の１２章になり、教会に集う者たちの多様性と一体性を説きます。豊かな多様性を持ちながら一致が生まれる事です。教会は一律でなく様々な賜物を持つ人が集っています。私達の教会を見てもそうでしょう。その豊かな多様性が教会の素晴らしさだと説くのです。ただ多様性はバラバラにもなりやすいですが、多様性を豊かに留めながら、一致していくにはどうすればいいのでしょう。その辺が今日のポイントです。
先ず、「兄弟たち、霊的な賜物については、次のことはぜひ知っておいてほしい」と語ります。彼は今日の箇所だけでなく１４章辺りまで、かなり長く霊的な賜物について取り上げます。
「ぜひ知っておいてほしい」とは、聖霊の賜物についての真理を知ってほしいという意味です。多様性と一致を生み出すことの内容、私達が考える霊的な賜物とはどういうものか、その中身を理解してほしいという事です。そう語った後、「あなたがたがまだ異教徒だったころ、誘われるままに、ものの言えない偶像のもとに連れて行かれたことを覚えているでしょう」と、賜物とは別のことを言うかに聞こえますが、別の事ではありません。
コリント教会の大半は、以前は異教徒で、ギリシャの多神教からキリスト教に改宗した人たちです。彼らが未だキリスト教に触れていなかった頃、ものの言えない即ち命のない偶像に、誘われるまま、両親や友達などに誘われて、連れて行かれたのです。中学生などが友だちと連れ立って神社の夜店に繰り出し、ついでに参拝すると言うのは、今の日本でもよくある風景です。
そういう場で、コリントの場合ですが、やんちゃな年上の青少年の中に、「イエスなど、呪われてしまえ」、「キリスト教などやっちまえ」などと言い出す者らがいると、皆で、「そうだ、そうだ」と大声で囃し立てることもあったでしょう。
そういう場所では、教会とは異質な、腕っぷしの強い者こそ当然上だといった雰囲気があります。実際、コリントの神殿では力と繁栄と豊穣の女神が祀（まつ）られ、巫女（みこ）さんたちとのいかがわしい関係さえ公然と行われたわけで、教会の雰囲気とは天地の差がありました。
そういう背景の中で、パウロは、「霊的な賜物については、次のことはぜひ知っておいてほしい」と書いて、「神の霊によって語る人は、だれも『イエスは神から見捨てられよ』とは言わないし、聖霊によらなければ、だれも『イエスは主である』とは言えない」と語るのです。
（つづく）
２０１８年８月５日
板橋大山教会 上垣勝
ホームページは、 http://www.geocities.jp/itabashioyama_ch/
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