取るに足らぬ僕
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取るに足らぬ僕 （下）
ルカ１７章７－１０節
（２）
この事から私は自分自身の事を振り返ります。では私はどうなのか。この半世紀ほど、キリスト者として、牧師として、「私は取るに足りない僕（しもべ）です。しなければならないことをしただけです」と言った態度でキリストに仕えて来ただろうか。しなければならない事を皆果たすと言う事をしただろうか。それをしていないに拘わらず、「私は取るに足りない僕です」とさえ言って来なかったのでないか。「しなければならないことをしただけです」とは、到底言えない牧師であり、キリスト者であったのでないかと自分を悔むばかりです。
「わたしどもは取るに足りない僕」とは、自分は特別な僕ではないと言う事です。普通の、平凡な、役立たぬ僕ですと言う意味です。「しなければならないことをしただけです」とは、お礼を言われては困ります。すべき事をしたに過ぎませんという意味です。
果たして牧師として、キリスト者として相応しくあっただろうか。資格は牧師でも、半端なニセ牧師でなかったか。良い羊飼いでなく悪い羊飼いでなかったか。エゼキエル書が語るように、自分自身を養う牧者でなかったか。もしかすると盗人であり、強盗でなかったか。羊を本当に養ったか。落第牧師でなかったかと自分を責め、神と皆さんの前で反省せざるを得ません。
ヨハネ黙示録３章には、ラオデキアの教会に語られた言葉が書かれています。「わたしはあなたの行いを知っている。あなたは、冷たくもなく熱くもない。むしろ、冷たいか熱いか、どちらかであってほしい。熱くも冷たくもなく、なまぬるいので、わたしはあなたを口から吐き出そうとしている。…」こう自分に語られているのでないか。また２章には、「苦難を決して恐れてはいけない。…死に至るまで忠実であれ」と語られているのです。
この様に自分を思うと共に、これからどう生きるかです。ルカ１６章で、「小事に忠実な者は大事にも忠実である」と語られ、あなたは一体、今後、「善かつ忠なる僕」と語られているような僕であろうとするのかと問われているのです。
この様に申しますのは、無論、今日は教会総会が礼拝に続いて行なわれるからです。
この先＋＋年も体と頭が続くか分かりませんが、もし総会で、次の＋＋年間、あるいは次の方にバトンをお渡しするまでの＋＋年間の奉仕が許されれば、力以上の事はできませんが、できるだけ「私は取るに足りない僕です。しなければならないことをしただけです」と言えるように力を尽くしたいと思います。どうか皆さんのお祈りをお願い致します。「取るに足らぬ僕（ボク）」です。皆さんのお祈りと背後からのお支えなしに、ボクはこの務めが出来る筈がありません。
私は大山教会と、この教会の皆さんが好きです。バタバタと６人が急に召され、転出した方や地方に行った方、その他の方などで、急激に小さくなりましたが、この教会を見限る事があってはなりません。大山教会にはいいものが一杯あります。先日の充実した夏季集会でそれを確信しました。皆さんもそうだと思います。力を出し合えば必ず、私の在任期間では無理にしても、新しい方を迎えてもう一度活況を取り戻すことになるでしょう。「取るに足らぬボク」の時代においてそうだったのですから、ボクの後、やがて再びその時代が戻って来ると確信しています。
今は生みの苦しみの時です。新しい若い教師が与えられれば教会も若返り活性化するでしょう。今、私たちは落胆している余裕はありません。「恐れるな、たじろぐな、私が共にいる」と語られる主を見上げて進みましょう。今は試練の時ですが、試練の中に必ず神の栄光が隠されています。試練を通して神の栄光が輝き出ると信じて、心を高く上げて前進して行きましょう。
（完）
２０１８年７月２９日
板橋大山教会 上垣勝
ホームページは、 http://www.geocities.jp/itabashioyama_ch/
教会への道順は http://www.geocities.jp/itabashioyama_ch/img/ItabashiOyamaChurchMap.gif
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