天地創造のはなし


         ホルマン・ハント作「キリスト教宣教師を匿うブリトン人家族」
              家の外では迫害が見えます。アシュモレアン博物館で        右端クリックで拡大
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                                            夕陽が沈むとき (上)
                                            創世記1章1-8節



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  皆さんは毎日学校でお勉強したり、お家でお父さんやお母さんまた兄弟と食事をしたりお話したりしますね。皆さんが住んでいるこの地球の事とか地球や宇宙がどう造られたかなんてお話しすることはありますか。

  今日の聖書は、最初の所に「天地の創造」と書かれていました。天地の創造なんて1年生にはちょっと難しいよね。この地球とか、太陽や月や星などがなぜ出来たかって言う事が書かれていました。時間があれば創世記1章全部を読んで頂きたかったのですが、最初の8節までを読んで頂きました。

  ここに、神様が地球や天地を造られて、第1日目と第2日目に何をお造りになったかって書かれていました。第1日目は「光あれ」と言われた。すると光があった。それまで天も地もドロドロで、何がなんだかさっぱり分からない。天にも地にも闇が覆っていた。だが、神が、「光あれ」と命じられると光があったのです。2日目は、大空を造り、大空の下に水を造られた。

  そしてその後、3日目は、水が乾いた所、大地を造り、水が集まった所、海を造られた。それから、種を持つ草や果物の樹を生えさせられた。4日目は、大空に2つの大きな光るもの。太陽と月。そして星たちを造られた。5日目は、鳥たち、獣たち、家畜たち、魚たちを造られた。そして6日目になって、最後に人間をお造りになり、ご自分に形どって男と女に造られた。こうしてお造りになったのを見ると、極めて良かった。神様が造られたものはすべてが素晴らしかった。それで、7日目は、神様は世界を造るのを終えて休まれた。だいたいこんな事が書かれていました。

  皆さん、7日間で天地、宇宙が造られたと思いますか。たったの1週間で世界が出来たと思う?そんな事がある筈がない。A君、正直だね。そうなんだ。私もたったの1週間で地球や星たちや地上の生き物たちを造れる筈がないと思います。

  じゃあ、聖書ってウソを言っているの?そうじゃあないんだ。聖書は、私たちが考える1週間で世界を造ったなんて、そんな事を言おうとしていないのです。

  聖書の別の所には、こんな言葉があります。「愛する人たち、この事だけは忘れないでほしい。神のもとでは、1日は千年のようであり、千年は1日のようだ。」神様の目からすれば、1日は千年のよう。千年は1日のようだって言うんだ。そしてこの事は決して忘れちゃあいけない大切なことだって言っているんだ。

  千年とあるのは実際の千年という訳じゃあないよ。ものすご~く非常に長~いという意味だよ。ですから神様にとっては、1日は千年どころでなく1万年かも知れないし、1億年、10億年かも知れないのです。もし10億年なら、6日間で世界を造ったというのは60億年で世界を造ったという事になります。

  どうしてそんなに時間をかけて天地をお造りになったのでしょう。皆さん、絵を描くのが好きな人はいますか。人間の絵だとか、船の絵だとか。本当に絵が好きな人は船でもかなり時間をかけて丁寧に描くよ。大きな絵だと、細かい所まで描きますから何日も何週間もかけて丁寧に描くでしょう。

  神様が何億年も長い時間をかけて天地をお造りになったということは、天地を本当に愛しておられるからです。愛しておられるので丁寧に、心を込めてお造りになったのです。

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  それから、人間は光や陸地や海、太陽や月、植物や小鳥や獣などを造って、全てを整えてから人間をお造りになったと書かれています。最初に人間を造られたとは書かれていないよね。

  今朝は何を食べて来ました?パンとか卵とか。ハムを食べた人もいるんだね。パンは実のなる草、麦から作るよね。卵はニワトリさんの卵だね。食べるものがなければ幾ら人間を早く造っても生きて行けませんよ。人が生きて行くために、先ず植物や動物などを造って、人が生きる準備をしてから人間をお造りになったのです。神様はどんなに愛の方かって事です。

  人間だけが生きて行くためだけではありません。植物や動物たちと一緒に生きるためです。彼らを滅ぼしたり、彼らを残酷に扱ったりしないで、一緒に地上で生きるためです。動物たちと植物たちと仲良く生き、人間が彼らのお世話をする。2章には、人間に彼らを治める力を与えられたと書かれているのは、お世話をしたり仲良くしたりするためです。

  水俣って知っている?へえ!5年生は知っているんだね。中学生はもちろんだよね。水俣で何があったんだっけ。有機水銀。そう、有機水銀の中毒が今から60年程前から起ったんだ。さすがは中学生1年生だ。チッソという会社があって、水銀を海にドンドン何年も流したんだ。それで魚がそれを食べて、水銀を食べた魚を漁師さん達が食べたんだ。水銀が体に入ると体にたまって出て行かないんだ。

  すると体がブルブル震えだしたり、目が見えなくなったり、手や足が曲がったり、立てなくなったり、気が狂ったかのように叫び出したり。また猫は魚が好きだよね。猫が魚を食べて2本足で立ったりして踊るように狂い出したんだ。お化けみたいな恐ろしい世界だよ。

  お金儲けだけが大切だと考えて、チッソという会社はそんな悪いことをして、自然をダメにし、人間をダメにし、動物をダメにした。お金儲けだけを考えていると植物や動物、そして人間もダメにしてしまうんだ。しかも長いこと謝らなかったんだ。隠していた。それを許した偉い政治家たちも中々謝らなかったんだ。悪いことをしたらすぐ謝るべきだよね。神様は、人間がこの地球を正しく治めるように、彼らと仲良く一緒に生きるように人間を造って下さったって今日の聖書は書いているんだよ。

  動植物とだけじゃあないよ。それ以上に大事なのは、人間同士が仲良く生きるように、神様はご自分に似せて人を造り、男と女に造られた。男と女が助け合う。協力する。あんたなんか、知らないって言っていない?男同士、女同士も助け合う。

  人間が互いに助け合うように神様はご自分に似せてお造りになったのです。あの人も、この人も、神様に愛され、神様とつながっている。だったら、私たちは憎んじゃあいけない。冷たくしちゃあいけない。ケンカしちゃあならない。愛し合わなくちゃあならないってことだね。お祈りします。

       (つづく)

                                         2018年5月20日




                                         板橋大山教会  上垣勝



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