ノックダウンしても、ノックアウトされない


                 大学から石を投げたほどの所にある居酒屋        右端クリックで拡大
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                                        ノックアウトされない (下)
                                        Ⅱコリント4章7-11節


                              (3)
  そして「打ち倒されても滅ぼされない。」ノックダウンされても、ノックアウトされない。ある英訳聖書はそう訳しています。人生のリンク上で何かの強力なパンチを浴び、たとえダウンし屁立(へた)っても、リンクから外にアウトされればおしまいですが、ノックアウトされずまた立ち上がって挑んでいけば、一時は屁立っても屁立った時に力をつぎ込まれて再び立ち上がり向かっていくなら、屁立った後今度は相手をノックアウトするかも知れません。別に人間の相手を言っているのでなく、何か苦しい課題でもそうです。屁立っても盛り返してそれを克服していけばいい。

  「わたしたちは、いつもイエスの死を体にまとっています。イエスの命がこの体に現れるために」です。私たちはキリストの死を身にまとう者です。キリストが、我が為に死んで下さったという事実を自覚し、その死を体に結び付けているのです。キリストの命が私たちに現われるためです。

  今ブドウの房に線香花火のような小さな白い花が咲き始めました。3日ほどすれば満開になりそうです。イエスは、「私はブドウの木、あなた方はその枝」と語られました。枝が幹につながっていれば実を結びます。キリストにつなげられていれば、その命が必ず私たちの中に注がれ、命は尽きることがありません。希望はなくならない。

  パウロは更にこの事を繰り返して、今度は、「わたしたちは生きている間、絶えずイエスのために死にさらされています、死ぬはずのこの身にイエスの命が現れるために」と語りました。繰り返すのは重要だからでしょう。

  パウロは、自分たちイエスに従う者は、生きながら日毎に死んでいるようなものだというのです。パウロたちの生活は、行く先々でイエスの死を負いまわっているような生活であり、絶えず戦いや誘惑や危険に晒(さら)されていたのでしょう。だがこれは、十字架の焼印を押されて日々死んでいる私たちに、イエスの命が現わされるために他ならないと考えるのです。

  今日の個所が語るのは、驚くべき事だと思います。神が私たちの中で働いて下さるのを可能にするのは、耳を疑うかも知れませんが、私たちの脆(もろ)さなのです。強さでなく、弱さです。賢さでなく愚かさです。偉大さでなく、無力や卑しさを用いられます。無きに等しい者を敢えて選んで神は栄光を現わされるのです。私たちに人間的な限界があっても、ある時に、神が働いて下さるのです。

  この事を説明するために、彼は土の器に盛られた宝のイメージを用いたのです。言って見れば、器の不完全さこそ、その中のものをよりはっきり際立たせる。私たちは脆(もろ)く貧弱でいい。ただ盛られている宝に目を留めて、それを感謝し誇ればいいのです。

  私たちの外なるものは、肉体を始めとして、時と共に必ず衰えます。衰えていいのです。それが自然です。ただ衰え行く器の中にも、並はずれて偉大な宝が授けられていることにしっかり目を向けなければなりません。いや、衰えれば衰えるほどこの宝に目を向けるべきです。そうすれば外なる体が日々衰えても、案ずる必要はありません。むしろ外なるものが衰える中で、目に見えない宝がいっそう輝き出で、私たちの救いの確信も一層確かにされるでしょう。

  古代のあるキリスト者がこう語っています。「高価なワインは入れ物の価値まで高価にする。」特別素晴らしいワイン。それを入れるボトル。そのボトルは貧弱でも、このワインがそのボトルの値段を高くするのです。イエスこそ私たちを高価に、更には高貴にして下さるお方だと言っていいでしょう。祈りましょう。


        (完)



                                          2018年5月13日




                                         板橋大山教会  上垣勝



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