女子中学の御三家


     前回のケーキ屋さんが作っていました。ケーキカットがもったいないようなものでした。
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                                          わが民は大勢いる (上)
                                          使徒言行録18章9-11節



                               (1)
  使徒言行録18章の最初に「コリント」というタイトルがありますが、今日は18章に書かれたローマ帝国第2の都市、コリントという町で起った出来事の一部分から福音を聞きましょう。

  パウロアテネから未だ教会もないコリントにやって来ましたが、彼より暫らく前にローマから強制退去させられた、プリスキラとアキラというユダヤ人夫婦のテント作り職人に出会い、彼らの家に住み込んでテント作りをしながら、安息日である土曜日にユダヤ教の会堂、シナゴグでキリストについて語っていたのです。

  しかし、パウロの仲間で同労者であるシラスとテモテが遅れてコリントに到着すると、パウロユダヤ人たちにみ言葉を語ることに専念し始めました。ローマからコリントまではかなり離れていますが、絶対的権力を持つローマ皇帝が勅令を出し、ユダヤ人をローマから強制排斥したので、その脅威はコリントでも日に日に強く感じていたでしょう。

  それにも拘らず、パウロと2人はコリントに留まって伝道しました。11節には、「パウロは1年6か月の間ここにとどまって、人々に神の言葉を教えた」とあります。前の口語訳では、「1年6カ月の間、ここに腰を据えて、神の言葉を彼らに教え続けた」となっていました。

  いかに皇帝が無謀な勅令を出しても、腰を据えてみ言葉を蒔き続けたのです。1年6カ月は、長くもありますが短くもあります。だが腰を据えて働くなら、必ず成果があるとの確信が見えます。パウロのいる期間に芽が出なくても、去った後で芽が出、実を結ぶ事があるだろうとの大きな視点を持っていたのでしょう。伝道というのはそういう側面を持っていますし、何事も悲観的状況だけを見ていては後退するばかりです。彼は今ここで自分が出来ることを力を尽くしていったのです。

  ところで、パウロが身を入れてみ言葉の宣教に専念し始めると、6節にありますが、この地のユダヤ人たちが反抗し、彼を口汚くののしり始めたのです。彼を侮辱し、攻撃し始めた。パウロの伝道に脅威を抱いたからです。

  彼はしばらく悩んだでしょう。キリストの平和の福音を語っているのに、反対され騒動が起ったからです。自分の責任でなく、彼らの罪の為にこんな事が起こった。では、語るべきか、語るべきでないか。しかし彼は強い人間でした。彼は、「服の塵を振り払って言った。『あなたたちの血は、あなたたちの頭に降りかかれ。わたしには責任がない。今後、わたしは異邦人の方へ行く。』」と啖呵を切った。

  粗暴とは言えませんが、断固たる決裂の言葉です。私には、もはやあなた方を救う責任はない。あなた方が滅びるにしてもそれはあなた方自身の責任である。彼は、ぐずぐず彼らを説得して関わりを持ち続けなかったのです。理解を得ようとしても、無駄と分かっていたからでしょう。こういう決断は、彼の長所であったか短所であったか分かりませんが、反抗する彼らを相手にせず、足の塵を払ってギリシャ人、異邦人伝道に向ったのです。

  都内の私立女子中学に御三家というのがあるそうです。Aちゃんがどこで仕入れたのか、小話をしてくれました。御三家に行く訳でないのにこんな事は仕入れて来るんです。空き缶が道端に落ちていたそうです。双葉の生徒はそれを拾い上げて、そっとゴミ箱に捨てたそうです。桜蔭(おういん)の生徒は、本を読みながら歩いていてそれに気づかなかった。女子学院の生徒は、それを見つけると、缶蹴りをして遊び始めた。――よく分かりませんが、それぞれの学校の個性を巧みに捉えている気がします。

  今申し上げたいのは、パウロがこう言ったからと言って、クリスチャンは皆こうすべきだとか、真似する必要はないということです。それぞれ個性がありますから、イエス様の言葉に応答して自分に合った仕方で生きていいでしょう。

         (つづく)

                                         2018年3月18日



                                         板橋大山教会  上垣勝



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