ユダヤ会堂のキリスト


  オックスフォードのカーファックス・タワーは17世紀の建設。オルゴール時計が5分後に鳴り出しました。
                                            右端クリックで拡大




                                             イエスの使命 (上)
                                             ルカ4章16‐22節



                               (序)
  卒論が目前に迫っているのに、子ども達へのメッセージの担当を逃げずによく考え抜いてお話し下さり有難うございました。この後、私も同じ聖書個所ですから話し易くなり嬉しく思います。

  イエスはどんな方でしょう。愛の人、ヒューマニスト、奇跡を行なった人、神の意志を伝えた人、十字架で殺されたが死者の中から復活した人、正義と公平、神の国、そのご支配を説いた人、罪を贖い永遠の命を約束した人。この他にも、色々な見方があるでしょう。ルカ福音書は、彼は神の主権的な聖霊の力に満ちて活動された方だと語ろうとしているのでないかと思います。

                               (1)
  さて今日の最初に、「イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった」とありました。彼は、父の死後もおよそ30才までナザレで大工をし、母と弟妹たち、家族を支え、やがてガリラヤに出ますが、久し振りにナザレに戻ったのです。そしていつもしておられたように、安息日、即ち土曜日に、ユダヤ教の会堂、シナゴグに入って、ユダヤ人男性には誰でも許可されているように、立って聖書を朗読しようとされたのです。

  すると、「預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった」のです。巻物とあるのは、ビブリオンというギリシャ語です。これは水辺に生えるカヤツクリ草のパピルスの紙に、イザヤ書が墨字で書かれて巻物にされたもので、それが手渡されたのです。

  イエスは受け取ると、それをクルクルと広げて、やがて目に留まった個所を声を出して朗読されたのです。紙を巻いたものがありますが、こういう風に左から右に広げられたのでしょうか。それとも右から左に広げられたのでしょうか。前者でしょうか。後者でしょうか。後者なんです。というのはヘブライ語は本来の日本語のように右から左に書くからです。中国ではどうですか。なるほど、今は英語のように左から書く。しかし元々は右から左に書いたのですね。こうして読まれたのが、今日の18節、19節、旧約聖書イザヤ書61章の言葉でした。

  イエスは皆の前で朗読して、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と話し始められた。即ち、預言者イザヤが500年程前に預言した言葉が、今日、今ここで私の身において成就したと話されたのです。このナザレの村からガリラヤに出た私の使命の中心は、イザヤがここで語っていることだと話されたのです。という訳で、今日の話はこの18節、19節が中心になります。

       (つづく)

                                         2018年2月4日



                                         板橋大山教会  上垣勝



  ホームページは、 http://www.geocities.jp/itabashioyama_ch/

  教会への道順は http://www.geocities.jp/itabashioyama_ch/img/ItabashiOyamaChurchMap.gif


                               ・