光と喜びが来ます
ヒルトップから北に４キロほどのフォークスヘッドは、結婚したビアトリックス・ポターが住んだ里。
写真は、その昔ワーズワースが通ったグラマースクール。創立は４３２年前の１５８５年です。
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みどりご 誕生の喜び （中）
イザヤ９章１－６節
（２）
今日の所で、「闇の中を歩む民は、大いなる光を見、死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた」と語られますが、これは、闇と死の時代の只中に、新しい時代が到来すると告げているのです。過去形に見えますが、将来起こることが完了形で語られます。新しい時代には、神が人々に深い意味をもった喜び、心の底まで達する楽しみを授けられ、人は主のみ前に喜び祝う。収穫祭のような喜び、戦利品を分け合うような興奮が生まれるというのです。光と喜びの到来です。
「ミディアンの日」とは、士師記にある、勇士ギデオンが、侵略するミディアン人に決定的な勝利をおさめた日です。その日のように、アッシリアがイスラエルの民に課した重い軛が粉々に砕かれ、虐げる者が暴力を奮い、強制労働に用いた棍棒も鞭も、主がことごとく折り砕いて、解放して下さると語るのです。
また、「地を踏み鳴らした兵士の靴、血にまみれた軍服」、残忍極まりない野蛮な闘い、血みどろの軍服も軍靴も、全て火にくべて焼き尽くされ、新しい平和の時代が来ると告げるのです。
そしてイザヤはこう語ります。「ひとりのみどりごが、私たちのために生まれた。ひとりの男の子が私たちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、『驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君』と唱えられる。ダビデの王座とその王国に権威は増し、平和は絶えることがない。王国は正義と恵みの業によって、今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。」キリスト誕生の預言と言われるもので、今日の中心です。
神は、やがて一人のみどりごを地上に送られる。いつとは言われませんが、彼は平和の君、平和の王である。その男の子は、生まれながら権威が肩に備わり、権力を傘に着るのでなく、神の力と平和、公平と正義を身に帯びる方です。このみどりごこそ、「驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君」と唱えられる方である。
５節は１２月になると各地の、ヘンデルのメサイア演奏で、圧倒的迫力で歌われる言葉です。「驚くべき指導者」とは、闇にいる者への驚くべきカウンセラーであり、助言者のことです。今日で言えば、「社会生活について個人が直面する悩みなどについて相談に応じて適切な助言をする人」と辞書にあります。彼は並はずれた力をお持ちの方であり、始めも終わりもない永遠不滅の神であると語られます。
このみどりごによって、来るべきダビデの王座と王国に権威が増し、平和は絶えることなく、正義と恵みの業がとこしえに確立される。確立するのは、人でなく、万軍の主の熱意がこれを実現すると語るのです。
預言されているのは、新しい時代に登場するみどりご。キリストです。クリスマスの預言は、ご降誕の約７３０年前に、ユダヤの片隅で静かに準備されていました。預言したイザヤでさえ、その方がどんな方か、はっきり分からぬまま語ったでしょう。しかしその誕生は、７００数十年前から、人類の救いのために神が着々と整えておられたのです。また、神の御心は必ず地上に実現する事、人の知らぬ所、知らぬ時代に、神が種を蒔き、育てておられるのです。
（３）
私たちの時代を考えると、イザヤ時代とは違う様々な闇があります。政治的な闇や社会的な闇が外にありますが、人々の内面にも大いなる闇がある気がします。中には、内なる闇や内なる弱さで絶えず脅かされ、恐怖に晒されている人々もいます。内に引き籠る青年たち、鬱々と闇の力に囚われている人々が１５０万人を越える時代、別の統計では３００万人に上ると言われています。
統計などの数字はどうでもいいのですが、実際のこのお一人お一人は一体どういう思いで日々を過ごしておられるのでしょう。心が痛みます…。しかしまた、将来、一体日本社会はどうなるのでしょう…。この方々一人一人はどうなるのでしょう…。
しかし、たとえその人たちでも、その人の弱さに神の憐れみの光が照らされる時には……
（つづく）
２０１７年１１月１９日
板橋大山教会 上垣勝
ホームページは、 http://www.geocities.jp/itabashioyama_ch/
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