2つの籠の秘密


                 大きな古時計と並んだイーズワイクホテルのご主人      右端クリックで拡大
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                                             パンと魚の感謝 (1)
                                             マルコ8章1-10節



                               (序)
  今日の話は、少し前の6章の5つのパンで5千人を養った話と似ています。1節の「そのころ」とは、7章から考えると、ガリラヤ湖の東側の異邦人の地におられた頃でしょう。

  その証拠の1つは、6章にあるパン屑を集めた「籠」という言葉と、今日の「籠」という言葉は、日本語では同じですが、原文では全く違うのです。6章の籠はコフィノスと言って柳で編んだ籠でユダヤ人が作りましたが、今日の所の籠はスフュリスと言ってイグサで作った柔らかい籠で、当時の異邦人が作ったようです。

  また今日の10節に、イエスはこの後、「ダルマヌタの地方」に行かれたとありますが、これは異邦の地です。

  即ち今申し上げたいのは、6章と8章は類似した事件ですが、6章はユダヤ人へのパンの給食の奇跡であり、8章は異邦人への給食の奇跡で、イエス様はユダヤ人だけでなく異邦人も、世界のいかなる民族も隔てなく愛して、パンという不可欠なもので養われたこの象徴的な出来事で、神の愛を示されたのでしょう。万民に対する愛というか、マルコ福音書は16章で復活のイエスが弟子たちに、「全世界に行って、全ての造らたものに福音を宣べ伝えよ」と命じられたとありますが、6章とこの8章の実際にあった出来事を書き留める事で、既にイエスの福音はユダヤ人だけでなく全世界の人々に届けられる万民に対する喜ばしい福音であると語っているのでしょう。

  マルコ福音書は、マタイ福音書と違ってローマ人に対して書かれた福音であると言われて来たことからも異邦人への関心の強さが感じられます。

       (つづく)

                                         2017年11月5日



                                         板橋大山教会  上垣勝



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