昆虫が２５％減少
ベアトリックス・ポターが宿泊したニアソーリーの Ees Wyke Hotelに泊りました。
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自然界の祝福 （中）
イザヤ３５章１-２節
（２）
話は変わりますが、海が地球全体に占める割合は約７０％ですね。ですから地球の大部分を占める大海原の気温上昇は地球温暖化の主な要因の1つになります。所が、将来の水温上昇はこれまで計算されて来たものよりもっと酷くなるかも知れないという報告が、フランスとスイスの研究者たちによって先日出されました。従来は海底に沈殿した微細な水中生物の化石に残る酸素量から計算して導き出されたのだそうですが、この酸素の残存量はそんなに単純なものではない事が分かったのです。もしそうなら気候変動はもっと急速に進むかも知れないという警告です。１億年程前の残存酸素量がどうして将来の気候変動の計算に関係するのか素人では良く分かりませんが、そういう報道が海外で出始めています。いずれ日本でも報道されるでしょう。
今年の日本の気候はおかしいですが、これは日本だけでなく世界各地の人たちもおかしいと感じているようです。巨大ハリケーンや台風、長雨、山火事、巨大竜巻、また旱魃などです。
また別の話ですが、先週ドイツの生物学者たちは、この２５年間で昆虫たちが２５％減少したと発表して、「エコロジカルなハルマゲドン」が近づいていると警告しています。１９９０年初頭から比べて７５％にダウンしたと言うのです。天候の変化や何かで２－３％ダウンしたり、５％ダウンしたりはあるでしょう。しかし２５年で４分の３に激減したと言うのです。「ハルマゲドン」とは、ヨハネ黙示録に現れる終末の世界的な大決戦の事です。人間が関与する昆虫の激減が、生態系のハルマゲドン、終末的な大危機をもたらすと言うのです。この５０年で、１００年で何％かはデーターがありません。もっと酷いでしょう。
昆虫を過小評価するのは間違いです。彼らは植物の受粉に関与し小鳥や他の虫や動物の主要な食糧になり、昆虫は地球の生き物の生存に重要な役割を果たしています。大都会の私たちは昆虫など関心が薄いでしょうが、彼らがいなくなれば必ず人間は滅びると言われる程です。これはおおげさな表現ではありません。
ドイツの国土には各地に自然保護地域があります。その各地の保護地域で調査した結果、色々な種類の蜂や蝶たちが極端に減少していることが突きとめられ、科学者はショックを受けているのです。日本でも、かなり前から蜂や蝶が飛び交う姿をめったに目にしなくなりました。虫たちが活動する夏場でも１８％減少ですが、通年で２５％減なのです。原因は１つでなく、農地が拡大して野生の原野が減少したことや、化学的な防虫剤の大量使用が主な原因と見られていますが、気候変動も原因に挙げられています。私のタンスには何枚かの厚手の下着や羊毛の服が入っていますが、昆虫たちや鳥たちはむろん防寒着もクーラーも持ちません。彼らは着の身、着のままです。彼らは気候変動に素早く対応できず、防虫剤について丸っきり無知で、減少するか死滅します。地球上の全生物の３分の２は昆虫なのです。だから科学者たちは彼らの減少を恐ろしい事と見るのです。
人類は、自然の生き物たちが普通に暮らせない過酷な環境を、いわば荒れ地や荒れ野を作っているのです。昆虫たちは私たちの隣人、仲間なのです。もし地球から昆虫たちを失えば、雨が降っても荒れ地、荒れ野、砂漠のままです。実がなる筈の木も実がならなくなるでしょう。地球が生き物を宿さない砂漠になれば、全てのものを失う事になります。
国連はこの春、殺虫剤の使用とそれを製造する企業に厳しい警告を出しました。昆虫への影響はそれに留まらず、将来には人体への影響、そして人類社会への影響に発展するだろうと見ているからです。過当な利潤追求の考えは必ずしっぺ返しを喰らうでしょう。
預言者イザヤは、「荒れ野よ、荒れ地よ、喜び躍れ。砂漠よ、喜び、花を咲かせよ。野ばらの花を一面に咲かせよ。花を咲かせ、大いに喜んで、声をあげよ。砂漠はレバノンの栄光を与えられ、カルメルとシャロンの輝きに飾られる。人々は主の栄光と我らの神の輝きを見る」と語ります。神の、自然界への祝福に人は逆らってはならないのです。人の手で荒れ地や砂漠を作ってはならないのです。
（つづく）
２０１７年１０月２９日
板橋大山教会 上垣勝
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