ポットン・トイレに万年筆が落ちた


                            野外劇場の説明板
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                                           探せ、見つかる (上)
                                           マタイ7章7-12節


                                (1)
  今日は子ども達と大人の人たちと一緒の礼拝です。これからずっと今日のような礼拝にするかどうかはまた教会で考えますが、暫らくこのようにします。これまで牧師館でしたから、今日は本当の礼拝、十字架を前に神さまの前で本当の礼拝です。大人の人たちも、子どもたちとの礼拝を大事にして下さい。

  さっき司会者がお読み下さった所に、「求めなさい、与えられる。探しなさい、見つかる。門をたたきなさい、開かれる」とありましたね。これは同じ事を色々な言い方で言っていますが、はっきりした気持ちを、やりたいという意志を持ちなさいと言う事です。

  求めようかな?求めないでおこうかな?探そうかな?探さないでおこうかな?そんな、あやふやな気持ちであってはいけませんと、イエス様は言われたのです。

  私は探します。私は求めます。そういうはっきりした気持ち、意志を持ちなさいと言う事です。

  先週、A君とBちゃんと築地に行きました。A君が蟹を見たい、蟹が食べたいと言うので一緒に行ったのです。築地に行ったこと、ある?ない?行ったことがない人はぜひ一度行って見て下さい。世界的に誇れる有名な魚市場ですから、日本人より外国人観光者の方が多いです。皇居と同じ位に外国人が多いです。

  朝早く着いて市場を見て回りましたが、タラバガニが何と4万円するのです。松葉ガニとも言われるズワイガニでも1万5千円。1万円札をポケットに忍ばせて、6千円位なら買おうと思っていたので、手も足も出ませんでした。なぜこんなに高くなったか。ロシアが厳しく取り締まって、少しでもロシアの海に入れば密猟として捕まるから、品薄なのだそうです。国と国が仲良くしないとこんな風になる事を、蟹のことで知らされました。金目鯛も買おうと思っていたのに、これも同じで7千円、8千円するので手が出ません。毛ガニだって大きいのは一杯2500円です。蟹一杯とは一匹の事ですが、2杯買えば5千円。

  仕方なしに、2人を連れて、雨の中を傘さして、大きな発泡スチロールの冷凍ボックスを持ったまま、途中で蟹丼ぶりでも食べさせて帰ろうと思ってA君に聞いたんです。「蟹を買わなくてもいいだろう?」そしたら、「買って!」と言うじゃありませんか。もう一度聞いても、「買って欲しいな」です。今まで、一緒に高いことを見て来たのに、「買って」と言われまして、その一押しに押されて、もう一軒別の店に入って毛ガニを聞いたら、そこのおじさんは負けそうなので、3百円負けさせて買って帰りました。このもう一押しがなければ買わなかったでしょう。

  求めよ。与えられる。もう一押し求める。そういう強い意志を持って何かをしてほしい。これをなし遂げようという強い意志がないと、何も起こらない。

  私に洗礼を授けて下さった浅野先生という偉い先生がいました。有名な大学でも教えました。その先生は若い頃にイギリスのスコットランドという所に行って勉強しましたが、そこで万年筆を買ったのです。記念にね。10万円か20万円もしたものでしょう。ところが日本に帰ってある時、トイレに入った。トイレと言っても、ポットン・トイレです。ポットン・トイレって知ってますか?水洗トイレじゃあないよ。ポットン、ポットンと落として下に山のようにたまっていく汲み取り式のやつです。何人も使って、ポットン、ポットンと溜まって山のように盛り上がっていきます。ところが浅野先生がトイレをしていてうっかり大事な万年筆を落としたんです。ポットンと。よく見ると山の所に突き刺さって、ちょっと万年筆の首が出ている。みんなだったらどうします。もういいやと諦めますか。浅野先生は偉い先生です。手を伸ばして取ろうとしたのです。でもポットン・トイレは深いんです。なかなか手が届かない。でも浅野先生は諦めない。便器の中に顔を突っ込んで一生懸命に手を伸ばして取ろうとする。でも万年筆の先にちょっと触れたので、もっと中に入ったんです。それで汗だくになってトイレの中で、日本で有名な先生が書斎でなくトイレで一人格闘している。トイレの下はハエが飛び回っている。そのハエなどもう気にならずもっともっと長く手を伸ばした。そしてやっと万年筆を掴んだのです。やっぱり強い意志が大切です。

  「棚からぼた餅」と言います。口を開けて、棚の牡丹餅が落ちて来るのを寝て待っている。そんな事をしていても、100年待っても落ちて来ません。1000年待ってもダメです。

  だから、「私は探します。求めます。門を叩きます。」そういう強い意志を持って生きて行って下さい。イエス様に求めて行けば、必ず与えられ、見出し、開かれるのです。

  さあ、お祈りしましょう。お祈りの後、子ども達とお母さんはお帰り下さい。

      (つづく)

                                         2017年4月2日


                                         板橋大山教会 上垣 勝




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