後の日を笑って生きる


                          リヨン美術館で(15)        右端クリックで拡大
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                                                 キリストと焼き魚 (4)
                                                 ルカ24章36―43節



                              (4)
  箴言31章に賢い妻について述べられています。色々なことが述べられる中、こうあります。彼女は「力と気品をまとい、未来にほほえみかける。」前の口語訳は、「力と気品とは彼女の着物である、そして後の日を笑っている」となっていました。死を越えて復活して来られたお方、最後究極的なお方からすれば究極以前のものはユーモラスです。ほほえみ、笑えるものです。

  私たちに必要なのは未来にほほえみかける生き方、倫理です。苦虫をつぶしたような怒ったあり方でなく、肩の力を抜いて未来にほほえみかける倫理。

  司式者のお祈りにありましたが、トランプさんが次期大統領に決まり、右翼があちこちで勢いづいて活動し始め、ナチの軍服やカギ十字が息を吹き返して来ました。ナショナリズムの台頭の時代を予感させます。日本でも、「欅坂」とか何とかいう歌とダンスのアイドルグループが、ナチの軍服をイメージさせる出で立ちで舞台に立ち、欧米の新聞は大きく取り上げました。「欅坂」は世界の右翼を元気づかせるためにしたのでしょうか。歴史を知らない驚くべき時代錯誤です。

  だが過剰に恐れないように致しましょう。こういうことは過去の人類の歴史に何度もありました。人間社会は有機物のように複雑です。数学のようにきれいに割りきれません。現実の姿を知りながらも、深刻になり過ぎず、それに流されず、それに加担せず、ユーモアを持って、後の日を笑っている位の生き方をしましょう。こういう時代は心では泣けますが、それに屈せずユーモラスに笑い飛ばす生き方が大事です。

  社会的な事だけではありません。私たちの個人の問題でもあまり深刻になり過ぎると却ってうまくいきません。本当に泣きたくなることが突然起こったりします。だが主を信じ心強く持って、後の日を笑っている。それが賢い生き方です。

  既にイエスは勝利しておられるのです。恐れる必要はないのです。私たちの真ん中におられるのです。隅っこや、端っこにおられるのではありません。恐れている弟子たちのど真ん中におられます。「あなたがたに平和があるように」と言われたのは、2千年前の彼らに対してだけでなく、今日の私たちに、私という個人に向かって言われたのです。教会の私たちだけでなく、世界の全ての人に言われています。

  世界の果てから届いている、すなわち神の国から届いているキリストの光に照らされて、ユーモアを持って生きましょう。恐れるな、主の御心を忘れるな。イエスは今も、平和をつくり、愛を忘れるなと教えられます。


           (完)
                                            2016年11月20日



                                            板橋大山教会 上垣 勝




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