10月31日は何の日って?決まってます…


                           リヨン美術館で(2)          右端クリックで拡大
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                                                 心を一つにしよう (中)
                                                 Ⅰコリント1章10‐17節


                              (2)
  このように語って、次に彼は具体的問題に入って行きます。事実あなた方の間に重大な、シリアスな問題が起こっていると、クロエの家の者たちから聞いている。即ち、「あなたがたはめいめい、『わたしはパウロにつく』『わたしはアポロに』『わたしはケファに』『わたしはキリストに』などと言い合っているとのことです。」

  自分はパウロ派だ、アポロ派だ、ケファ派だ、キリスト派だと言い争っていたのでしょう。自分たちのグループこそ正統であり、正しく、上であると主張して分派争いをしていた。

  パウロはそれに向って、私が十字架に付けられた訳ではありません。私がパウロの名で洗礼を授けた訳でもない。私は「クリスポとガイオ以外に」洗礼を授けていません。だから私の名を持ち出して、自分はパウロから受洗した。だからどうのこうのと言うべきではないと諌めたのです。

  ただ何事も事実を元に語るのでなければなりません。だから、例外的に洗礼を授けた人たちのことを取り上げて、「もっとも、ステファナの家の人たちにも洗礼を授けましたが、それ以外はだれにも授けた覚えはありません」と釘を指しています。ステファナ一家はこの手紙の最後の章で、アカイア地方で最初に信仰に入った信仰の初穂、記念すべき人々であったのが分かります。バザーに今年もお手伝い下さった若く元気な初穂さんは、ここから名前を取られたのでしょう?でしょう!それだから、パウロが喜びの中で、率先して洗礼式を執り行ったのです。だがその後は、パウロ以外の人に洗礼式を任せたのです。

  いずれにしても、パウロも、アポロも、ケファも、重要ではないと言うのです。ただキリストの恵みを受け、キリストの洗礼を受けたことが大事である。ただキリストのみです。信仰のみです。

  10月31日は何の日ですか。ハロウインの日かも知れませんが、でも、もっと大事なのは宗教改革記念日です。ハロウインなんてものに中年紳士・淑女がうつつを抜かしているんじゃあ――今はそういうニュースを新聞やテレビが何の批判もなく取り立て流す時代で、社会がかなりバカ騒ぎ社会になっていますが――、日本の将来が思いやられます。宗教改革でキリストのみ、信仰のみが救いにとって大事だと言われました。そういう事ともこの個所は関係しています。律法や家柄、財産、身分、知識の量や質も重要ではない。仲間同士の言い争いはやめて頂きたい。完全に一致して欲しいと勧めるのです。パウロは別の個所では、互いに徳を建てるべきだと言っています。足の引っ張り合い。あの人はここが悪い、この人はこう言った所が悪いと、マイナス面に目を向けるのでなく、互いに徳を建てる。長所に目を向け、それを引き出すべきであると語っています。「固く結び合いなさい」はそういうことによってなされます。パウロはそう述べたのです。

  「それ以外には誰にも洗礼を授けていない」と言うことで誤解してならないのは、彼は洗礼を軽視したのではありません。むしろ重視した人ですから、ローマ書6章で洗礼の意義を掘り下げて論じています。ですからここで洗礼の軽視や不要を言っているのでなく、誰から洗礼を授けてもらったという、そんな人間的次元の事は本質的にはどうでもよいと言いたいのです。要はキリストの名で洗礼を授けられれば、誰からであっても十分であるということです。


         (つづく)

                                            2016年10月30日



                                            板橋大山教会 上垣 勝




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