勝手な事を言わず…


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                                                 心を一つにしよう (上)
                                                 Ⅰコリント1章10‐17節


                              (1)
  今日は、コリントの信徒への手紙の第Ⅰに入って3回目です。この異教文化の盛んで猥雑な、ローマに次ぐ国際商業都市については既に触れました。パウロがこの町に足を踏み入れ、キリストの恵みを受けた人々が生まれてコリント教会が誕生しました。それは大きな喜びであり、彼は、「あなた方はキリストに結ばれて聖なる者とされた人々、キリストに召されて聖なる者にされた人々」と書きました。おべんちゃらでなく真実そう考えたのです。

  ところが彼が去ると、教会に多くの問題が発生したのを知った訳です。それで彼は、あなた方はどうして世の悪い影響を受けて動揺し、再びそれに染まりまた分裂して、神の恵みから離れて四散して行ってよいであろうか。あなた方は神の御子の血によってこの世から贖い出され、神のものとされた人たちでなかったか。あなた方は、「皆、勝手なことを言わず、仲たがいせず、心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい。」

  あなた方の中心にキリストがおられるからです。キリストこそ、あなた方を結び付ける扇の要。あなた方、多様な者を1つにし、束ねて下さる唯一の方です。コリントの町は多様な者の町でした。国際貿易が盛んで色々な民族や人種、皮膚の色、身分の差、自由人も奴隷も、ギリシャの町ですから知識人も金持ちもいますし、教育を受けていない人や貧乏人もいます。女も男もいます。教会は社会の縮図のように多様な者がいたでしょう。

  だが、あなた方の中心にキリストがいるのです。十字架のキリストです。復活して今も生きておられるキリストです。このお方によって1つになって下さいと勧めた。「主イエス・キリストの名によってあなたがたに勧告します」と語っていますが、元の意味は、傍へ呼び寄せてじっくりと言い聞かせることです。実際にはエーゲ海を挟んだ対岸エフェソから宛てていますが、そういう思いで書いているのです。そのように訓戒するのです。

  「皆、勝手なことを言わず、仲たがいせず。」内輪もめをしてはならない。ある英訳聖書は、「あなた方が告白するものを1つにしなさい」と訳しています。枝葉末節の事を取り上げれば分裂する。教会の中で、自分はワインが好きだ、いや、自分は日本酒だと言い争いしてはおかしいでしょう。淡白な性格の人がいい、いやそうじゃあなく教会はウエットな性格の人の方が断然いい。そんな事で仲たがいしては可笑しい訳です。そうじゃあなく、イエス・キリストを告白するという、あなた方の中心におられる方によって1つになりなさい。そうすれば信仰においても判断においても、完全に1つになるでしょう。キリスト中心主義とも言えるあり方が教会であると説いている訳です。

                              (2)
  このように語って、次に彼は具体的問題に入って行きます。……


         (つづく)

                                            2016年10月30日



                                            板橋大山教会 上垣 勝




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