焚き火にあたるペトロ


                 福井ヨシ子「裸婦展」     来会歓迎(入場無料)
                                 (即売予定)
                 16年4月21(木)~23日(土)11時~15時

                 会場 板橋大山教会  板橋区氷川町47-3
                  (地下鉄三田線板橋区役所前」徒歩5分。東武東上線「大山」徒歩7分
                 地図はhttp://www.geocities.jp/itabashioyama_ch/img/ItabashiOyamaChurchMap.gif
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                                                焚き火にあたるペトロ (上)
                                                ルカ22章54―62節
        

                              (序)
  この個所には4つの人の目があります。最初は大祭司の女中が、中庭で焚き火にあたるペトロの姿を目にして、「じっと見つめ」た目です。2番目は、別の男がペトロを見た目で、3番目は1時間程してペトロを告発したもう一人の男の目です。そして最後は、「主は振り向いてペトロを見つめられた」とあるイエスの目です。これらの目を考えながら今日の個所を読んでみたいと思います。

                              (1)
  先ず54節に、「人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペトロは遠く離れて従った」とありました。まるで野良犬のように人々はイエスをひっ捕え、大祭司の家に連行したのです。この家は私邸でなく、下役や僕、女中などを擁し、牢屋も備えた大祭司の立派な官邸です。

  ゲッセマネの園で夜中に逮捕し、彼らはほぼ4kmの道を連行しました。オリーブ山の急坂を下り、少し登って、そこから官邸に続く道は今も一部当時のまま残っています。春にはスミレが可憐に咲き匂う陽だまりの斜面を横切って、平坦な小道が続いています。

  ペトロは遠く離れ、一団を見失わないように隠れながらついて行ったのです。怖かったでしょうが、師として心から慕い、命より大切に思うイエスがどうなるのか気が気でなりません。手出しは出来ないが、何とか解放されないのかという思いを持ってついて行ったのでしょう。

  官邸に着くと、既に庭の真ん中に焚き火がたかれていました。58節は、「人々が屋敷の中庭の中央に火をたいて、一緒に座っていたので、ペトロも中に混じって腰を下ろした」と書いています。

  イエスを捕えるため、ユダを先頭にここから一団となって出発したのでしょう。今、イエスは大祭司らの前にいます。下役や僕、女中、そして物見高い町の者などが、数10人にのぼるでしょうか、中庭で待機して、今夜の事件について焚き火を囲んでヒソヒソ語り合っていました。

  ペトロは夜の闇にまぎれて中に入り、人に混ざって何食わぬ顔で腰を降ろし火に当ったのです。と言っても、心は穏やかであろう筈がありません。黙って庭に入り、皆の輪に混じって目立たぬように様子を窺いながら、耳傾けると、皆興奮してイエスや弟子たちのことを話しています。ユダの手引きで逮捕した時の様子を克明に語る者もいます。ガリラヤの伝道の噂や、ペトロや弟子の名を挙げる者もいて、自分の名が出る度に彼はドキッとしたでしょう。事実でない事は気にならなくても、事実に近いことが話されている場合は耳をそばだて、ドキドキしながらも何食わぬ顔で聞いていた訳です。

       (つづく)

                                          2016年4月10日



                                          板橋大山教会 上垣 勝




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