次の選挙は後の世代を守る一票


          石神井川の桜が満開ですが、4月1日、牧師館ではジャスミンがにおい始めています。
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                                                闇が力を振るう時にも (中)
                                                ルカ22章47‐53節
       

                              (2)
  ところが祭司長、神殿守衛長、長老たちに向っては、「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってやって来たのか。わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている」と厳しく言われました。

  日本語では不正確ですが、原語では皆複数形で、祭司長たち、神殿守衛長たち、長老たちとなっています。彼らはユダヤ教当局の重鎮です。前祭司長も元祭司長も、前神殿守衛長や元神殿守衛長もほぼ総がかりで来ていたということです。ユダはイエスに背いて総決戦に臨む彼らと手を組み、夜に捕縛しようとしたのです。

  「まるで強盗にでも向かうように」とありました。今日で言えば、まるでテロリストに向かうようにという所でしょう。当時なりの重装備、厳戒態勢を敷いて捕えにやって来たのです。

  それに対しイエスは、「わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった」と言われました。彼らは、民衆の前で逮捕せず、隠れて捕縛しようとしたからです。民衆はイエスに味方する者が多く騒動になりかねません。そうなれば自分らの立場が危うい。そこで民衆がいない郊外で、しかも真夜中にこっそり捕えて闇から闇に葬らんとしたのです。

  だからイエスは、私は毎日、境内で参詣に来る人たちに公然と語って来た。逃げも隠れもしなかった。なぜ民衆の前で私を捕えないのか。夜中にこっそり私を捕えるのかと糺されたのです。

  為政者は今日も、都合の悪いこと、本当のことは民衆に隠したがります。2年前に成立した秘密保護法がその第1弾でした。先月には戦争法案が施行されて、いつでも世界中に自衛隊を派遣できる恐ろしい時代になりました。今、参議院選挙を控え、派遣を公然と始めれば反対派を勢い付かせます。また参院選憲法改定を公約として掲げない方が得策だという読みもあるようです。沖縄とも、話し合いで解決しようとしていると国民に思わせなければならない。強行して沖縄でいざこざが起こるとまずい。国民を騙(だま)せるだけ騙して選挙に突入し、大勝して一気に憲法を改正しよういう企みでしょう。

  白昼、神殿の境内で捕えようとしないユダヤ当局と同じ手口です。タカ派の大臣は放送局の批判を鈍らせるため、電波停止すらチラつかせて選挙に圧勝しようとしています。もし勝てば言論弾圧を更に進めるでしょう。

  国民を騙(だま)せると思っている所に愚かさがありますが、万一国民が騙されたとしたら、日本国民は実に愚かな国民だと世界のもの笑いになるでしょう。礼拝で言うのは気が引けますが、今度の選挙ばかりは与党に投票してはとんでもない時代になります。次の選挙は後の世代を守るための、子や孫を守るための私たち大人の愛の責任を示す1票になります。子たちへの愛を残す1票にしましょう。


         (つづく)

                                          2016年4月3日



                                          板橋大山教会 上垣 勝



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