行きなれた祈りの道



久しぶりに訪ねた大阪・忠岡町北出や馬瀬には今も重厚な門構えの家々が建ち並んでいました。
   北出にあったわが家は社宅暮らしでしたが、同級生たちはこういう門構えの家々から来ていました。
      昔は家に入って上を仰ぐと槍や薙刀が何本か懸っている家もあり驚きました。 (右端クリックで拡大)
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                                                   行きなれた祈りの道 (下)
                                                   ルカ22章39―46節


                              (3)
  イエスが弟子たちの所に戻ると、彼らは悲しみの余りぐっすり眠っていたのです。イエスは、「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らぬよう、起きて祈っていなさい」と言われたとありました。

  イエスは、血が沸騰せんばかりの祈りの戦場で、血の汗を滴らせて熱烈に祈っておられるのに、その近くで弟子たちは眠っていたのです。イエスはさぞガッカリされたでしょう。だが、それは私たちの想像だけで、何もそんなことは書かれていません。むしろガッカリせず、弟子たちに命じられました。「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らぬよう、起きて祈っていなさい。」

  イエスは、眠っている弟子たちのすぐそばで祈っておられたのです。12弟子は、後の教会を代表すると言われますが、イエスは当時も今も、眠っている教会のそばで祈って下さっていると言っていいでしょう。悲しみの余り眠り、恐れで怯えつつ眠り、怒りの果てに眠り、また平穏な中で安眠をむさぼり、惰眠もむさぼる代々の教会のそばで、キリストは祈っておられる。それは慰めです。だがそれに甘んじてはなりません。

  教会が聖であると言われるのは、私たちが聖であるからではありません。キリストが聖であり、この方が教会を聖として下さるのです。教会の聖は受動的な聖です。キリストから授かった聖です。私たちは自惚(うぬぼ)れてはなりません。

  「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らぬよう、起きて祈っていなさい。」私たちは色々な誘惑に陥ります。

  先日の教会学校で、先生が子ども達に、「イエス様は、エルサレム神殿の境内で両替をしたり、鳩を売ったりして金儲けしている人たちを叱られた」と宮清めの話しをして、神殿は神さまに祈りをする所なのにお金儲けをしているから叱られたのよと話したそうです。そしてその教師は今、自分は足が痛いけれど、もし病院に足の痛い患者さんが来た時、この人が来たのでよかった、これで幾ら儲かったと考えちゃダメだよ、患者さんを見たらお金が来たかのように思ってしまったらいけないのよ。病院はお金儲けのためにあるのではありません。病人を治療するためです。エルサレム神殿は祈りをするためにあるんです。そこで商売をして金儲けするためにあるのではありません。それと同じなの。だからお医者さんはお金儲けでなく、先ず病人を治すこと第1に考えなければなりません。お医者さんはお金のことを考えるのでなく、先ずこの人をちゃんと治してあげようと心から思わなければダメなのと、教会学校には医者の子どもも、医者の奥さんも来ているのに話したと言っていました。

  誘惑は色々な場所で色々な仕方で誰にでも襲います。特に慢心して、スキがある時に現われます。だから、「誘惑に陥らぬように、起きて祈る」ことが大事です。イエス様は弟子たちや私たちを本当に愛されるから厳しくこう言われたのです。

  今日の話しの初めの方で、イエス様が私たちの中で祈っておられるから、私たちも「誘惑に陥らないように」祈るのですと申しました。私たちの内側でイエスが祈っておられるから、イエスの御名をただ呼ぶだけでも、沈黙の内にイエスの前に座るだけでもイエス様との交わりになり、私たちの心の空虚が喜びで満たされるのですと申しました。

  私たちもイエス様に従って、最初から申し上げて来ましたように日々の生活で「行きなれた祈りの道」を作っていきたいと思います。

         (完)

                                          2016年3月20日



                                          板橋大山教会 上垣 勝



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