与党も野党も一丸となって


                      ノートルダムの塔上からエッフェル塔を臨む
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                                               伸び伸びと今を生きよ (中)
                                               ルカ20章1-8節


                              (1)
  1、2節にこうありました。「ある日、イエスが神殿の境内で民衆に教え、福音を告げ知らせておられると、祭司長や律法学者たちが、長老たちと一緒に近づいて来て、 言った。『我々に言いなさい。何の権威でこのようなことをしているのか。その権威を与えたのはだれか。』」

  祭司長は宗教的貴族たちで、その中からその年の祭司長が選ばれました。律法学者は律法を、ユダヤの宗教的法律を解釈し適用する法律家や弁護士たちです。彼らが大地主や資本家である長老たち、名士たちと一緒に大挙してイエスの所にやって来たのです。彼らはユダヤの最高議会サンヒドリン、日本で言えば国会議員です。

  彼らはイエスを質問攻めにし、処刑の材料を得て殺そうとの策です。ですから、今日の個所は実際には息詰まる程の恐ろしい場面であったでしょう。

  「我々に言いなさい。何の権威でこのようなことをしているのか。その権威を与えたのはだれか。」これも実際には、「オイ、答えてみろ。言ってみろ。何の権威でこんなことをしているのか、誰の許可を得て教えているのか」といった、もっと激しい言葉だったに違いありません。

  何の権威でという問いには、イエスが神殿から商人たちを追い出し、宮清めをなさったことに対する怒りも含まれていたでしょう。

  エルサレム入場後、イエスは毎日、境内で民衆に教え、福音を告げ知らせておられました。19章の最後に、「民衆が皆、夢中になってイエスの話に聞き入っていた」とありました。イエスの説かれる福音は、草の根に生きる民衆の心を惹きつけ、彼らは身じろぎもせず聞き入ったのです。ところが、一般民衆は夢中になって耳傾けましたが、貴族や知的エリート、富裕な者らはイエスの話には耳を貸さず、集団になって罠にかけようとしたのです。自分たちの鼻を明かされ、既得権が脅かされると思ったのでしょう。

  今日の個所には、イエスが境内で説かれた福音の内容は具体的には書かれていませんが、これまでの個所から想像すれば、それは忌み嫌われていた徴税人ザアカイにも、「今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。人の子は、失われたものを捜し出して救うために来たのである」と言って愛されたように、罪人を招く福音だったでしょうし、神の国は既にあなた方の間に来ていると語られたように、キリストの赦しに与って、誰もが今を、伸び伸びと喜びを持って生きることを可能にする福音を語っておられたのだと思います。

  先週の夏季集会で、私は色々なことを教えられました。特に集会が終り、皆さんが短時間でお書きになった一言を読ませて頂き、皆さんが様々なニュアンスを持って何と深く罪や赦しや祈りの問題を考えておられるかと感心すると共に、大山教会はこの様な人たちが集う、福音に養われる恵まれた教会であることを再発見して感謝致しました。週報の裏面に掲載させて頂きましたので、後からお読みください。

  イエスの前の民衆たちは、心の深くで福音に触れ、み言葉を味わい、食い入るように話しに聞き入っていたのですが、先程申しましたように、最高議会の面々は野党も与党もなく大政翼賛会のように超党派一丸となり、険しい顔つきで、「我々に言いなさい。何の権威でこのようなことをしているのか。その権威を与えたのはだれか」と 迫ったのです。

       (つづく)

                                             2015年6月21日




                                             板橋大山教会 上垣 勝



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