自由と喜びの空気が漂っています
久しぶりのノートルダム （右端クリックで拡大）
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闇の中でも見ておられる （下）
詩編１３９篇１－２４節
ヨハネ８章１２節
（３）
最後に、この詩編をイエス様の光に照らして読めばどうなるでしょう。暗闇が私たちを取り囲み、人によっては真夜中のような状況に置かれていたり、前途に闇しか見えないという人があるかも知れませんが、イエス様の光に照らして見れば、「闇もあなたに比べれば闇とは言えない。」
あなたが置かれている闇もイエスが経験された十字架の酷い闇に比べれば、未だ闇とは言えないと言うのです。また、イエスが私たちと共にいて下さる時には、そして私たちもイエスと共にいる所では、たとえ闇の時代であっても、「夜も昼も共に光を放つ」。夜の闇さえ、昼と同じように神に用いられて、光を放つのです。先ほどのバラバ、闇の世界で長く生き、夜の真っ暗闇にいるこの極悪人でさえ、イエスの光に照らされて光を放ったのです。「闇も、光も、変わるところがない」と言われるまでに神に用いられるのです。
私たちの世界は、神の子が十字架に磔にされる暗黒から見れば、未だ光があります。イエスが既に来られたのです。世には、良識を持った多くの人もいますし、先週のような、原発に関して見事な地裁判決を出す裁判官さえ社会に健在です。だから光のある間に、光の子として、光の中を歩きなさいと言われているように歩きたいと思います。
総会資料に、「今日も、明日も、次の日も、自分の道を進まねばならない」（ルカ13：33）と語られたイエスの言葉を引用しました。これからイエスはどこへ私たちをお導き下さるのか。このことを楽しみにして生きたいと思います。
こんな暗い時代に、今後どうなるのだろうという不安でなく、イエス様が導いて下さる所を楽しみにして進みたいと思います。「私は道であり、真理であり、命である」とあるように必ず道があります。希望の道がまだ開けます。ヨハネ福音書８章１２節でイエスは私たちに、「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ」とおっしゃっているのです。
キリストは世の光。世界の光です。世界を照らす光として実在されます。キリストに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つと約束されるのです。命の光はこの時代にあっても人生と生活を照らす光であり、命の輝きです。それを見分ける目を持ちたいと思います。
ハンセン病で苦闘した明石海人さんは、「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何處（どこ）にも光はない」と歌いました。彼は闇の中でも自らを燃やさんとして真剣に生きました。多くの闘いがありそれはそれなりの意味がある素晴らしい生き方であったと思います。だが、キリストはその燃える命の光を、信じる者たちに約束されるのです。
イザヤ書５０章は語ります。「お前たちのうちにいるであろうか。主を畏れ、主の僕の声に聞き従う者が。闇の中を歩くときも、光のないときも、主の御名に信頼し、その神を支えとする者が。見よ、お前たちはそれぞれ、火をともし、松明（たいまつ）を掲げている。行け、自分の火の光に頼って、自分で燃やす松明によって。」
私たちは自分が工夫した光を掲げるのでありません。主の御名を信頼し、主を支えとするのです。主の御名を信頼する時に、それが私たちの足元を照らす松明、命の光になるのです。悲愴になるのでも力むのでもなく、キリストの御名を信頼して燃える。そこに深海にも生きる光があるのです。同じハンセン病の玉木愛子さんは、「目をささげ手足をささげ降誕祭（クリスマス）」と歌っています。ここには解き放たれた自由と喜びの空気が漂っています。
（完）
２０１５年４月１９日
板橋大山教会 上垣 勝
ホームページは、 http://www.geocities.jp/itabashioyama_ch/
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