3月8日は何の日?
板橋大山教会に咲き匂うミモザ
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身寄りのないやもめ (1)
Ⅰテモテ5章17-25節
(序)
今日は「性急さを戒める」という看板を見て教会にいらっしゃったでしょうが、先週は16節までを含めてお話するつもりでしたが、そこに至りませんでしたので、予告と違い、3節以下16節までを、題も変えてお話させて頂きます。
3月8日、今日は何の日でしょう。今日は国際女性デーです。イタリアではこの日、女性たちにミモザをお配りします。それで今日は庭で摘んだミモザの花束を沢山の用意しましたから、どうぞ自由にお持ち帰りください。暫らく前銀座では1本700円でした。
それはともかく、国際女性デーは女性の自由、平等、地位向上を目指す日です。国際女性デーといえば、なぜか若い女性や働く女性の地位向上などを考え勝ちですが、人生の晩年に差し掛かった女性、高齢の婦人たちのことも国際女性デーの重要なテーマだと思います。またマララさんが訴えているような、すべての女子の教育の機会均等というのも、国際女性デーのテーマになるでしょう。ですから、3月8日は国際的に大変大事な日です。
高齢の女性が夫と死別し、やもめになって生活に行き詰まる場合が世界では多々あります。国際女性デーはそこまでの視野の広さで婦人の地位と生活保障を求めなければ、女性の自由、平等、地位向上ということにならないでしょう。
そういう意味でも、今日は、聖書の「やもめ」の記事を飛ばすわけにいかなかったのです。
(1)
旧約聖書では、やもめ、みなしご、寄留の他国人は基本的に困窮者と見られて、彼らへの社会的保護がしばしば語られます。例えば申命記24章では、彼らを搾取してはならない。やもめの着物を質に取ってはならない。穀物の刈り入れで、1束刈り残したら、それを刈り取るために戻ってはならない。それは寄留の外国人、孤児、寡婦のものとしなさいなどと定めています。イスラエルの古代社会には、弱者へのそういう温かい配慮があったのです。
だいぶ以前から、公園の数人掛けの長いベンチが一人ずつに仕切られて、公園で空を見上げてベンチに寝そべるのが私の趣味ですが、最近はできなくなっています。ホームレスの人が寝ないようにするためでしょう。橋の下は鉄条網やフェンスが張られています。猫などは役所も町内会もあまり何もしませんが、人間であるホームレスは締め出され、排除されています。これは心痛みます。この国には、「寄留の外国人、孤児、寡婦」、生活困窮者を、人として大事にするという伝統がなかったのでしょうか。旧約聖書時代のこのような人たちへの温かい配慮を思うたびに、日本のことが気にかかります。
(つづく)
2015年3月8日
板橋大山教会 上垣 勝
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