神の国は今ここに


  ドゴール空港から電車で約30分。パリのリヨン駅に着きました。テゼにはここから弾丸列車TGVで行きます。
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                                                    神の国は今ここに (下)
                                                    ルカ17章20-21節


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  帰国し、その足で羽田から福岡に飛び、行橋教会と椎田(しいだ)伝道所の講壇を担当して帰りました。行橋教会には金沢さん夫妻という方が昔、いい働きをしておられました。その方が大山教会の創立者である大塩先生の兄さんです。

  椎田伝道所というのは何と、行橋教会が無牧時代に信徒によって作られた教会でした。創立以来、定住牧師はおらず信徒の方が会堂守りとして住んで来られた全国でも希な教会でした。椎田伝道所は信徒の教会です。教会というのは本来、そういう力を持っています。牧師だけが教会を生むのでなく、信徒も教会を生むし生んでよいのです。

  ついでに申しますと、大山教会も信徒の皆さんが教会を支える気概を持って頂きたいと思います。お客さんでなく、皆さん一人ひとりが教会の担い手です。例え一人になっても、自分はこの教会を担って行く、作っていくという気概をお持ち頂きたいと思います。他の教会でなく、この教会を建てていくという堅い意思です。

  椎田伝道所は、信徒が多い時でも7名程でしたが、今は2名です。だが会堂守りをしている82歳の老婦人の一人息子さんが奥さんと毎週土曜日に来て、花を生け、会堂を掃除し、一切を整えて自分たちも礼拝に出席しておられました。求道者ですよ。このご夫婦がやがて洗礼を受けてこの教会を支えてくれる事を祈っているそうです。

  毎週土曜に、小倉から車で小1時間かけて来られます。小さな会社の社長さんだそうです。大変忙しい。だが礼拝を欠かさないのです。小学生時代から会堂の掃除をして来たそうで、町にお祭りがあっても参加せず、部活があっても日曜日は参加せず、それでいじめられ、からかわれることもあったし、一時はキリスト教に反発した。だが、いつの間にか教会が心の支えになっていたようで、それで返って人に迎合しない、芯の強い、人間として信頼できる人に育ったのです。不思議ですね。

  私はこの教会の58年の歩みやこの息子さん夫婦からも、神は家族の外から1人1人に目を注いでおられる。真に心にかけてくださっているということを思いました。教会のまん前の酒屋の主婦が、造り酒屋の女主人ですよ、ご主人に嫌な顔をされながらキリスト者になった歴史もあります。今なら造り酒屋でもいいでしょうが、昔ならまずいと思うでしょう。また現在ほぼ全盲になってしまわれた婦人は、全盲ですが喜んでヒムプレーヤーを演奏しておられます。何度も家で練習して間違いなくヒムプレヤーを操作される。79才です。

  先程来申し上げていますように、「私たちの唯一の慰めは、私が、身も魂も、生きている時も死ぬ時も、私のものではなく、私の真実な救い主イエス・キリストのものであることです。」誰しもこのように口で言い表すことができるようになることが、キリスト者である一歩です。ここに自分の最大の喜びと慰めがあることを知る人は本当に幸いな人です。「神の国は今、ここに。ここに来ている」のです。


           (つづく)

                                              2014年10月5日





                                              板橋大山教会 上垣 勝



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