音色の美しい教会


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                                                  音色の美しい教会 (下)
                                                  エフェソ4章7-13節



  (前回から続く)
                              (5)
  今週の6月24日は日本基督教団創立記念日です。教団は30余の教派と伝統を持つプロテスタント教会が1つに合同した教会です。宗教団体法の下で国家によって統制されたというマイナス面がありますが、それと共に明治以来ずっと一致を探ってきた諸教派が、「神のくすしき摂理」によって合同したのです。私は、この諸派の合同に素晴らしい可能性があると見ています。

  先ほどから述べて来た見方からすれば、日本基督教団という教会は、美しい響きを奏でる教会になる可能性を神から与えられたのです。ただ可能性です。互いに異質な30余の教派が合同したのですから、その違いを活かすなら、キリストにおいて、美しく響き合って行くことが可能で、教団以上に多くの美しさを持つ可能性がある教会はないと思います。だが、異質なものを弾き飛ばして画一的にしてしまうなら、教団の素晴らしさが殺(そ)がれます。

  今日の聖書は、私たちの教会にも、日本基督教団という合同教会に対しても、「キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長する」ことを約束しています。私たちはこの約束に向かって希望を持って進みたいと思います。

  私たちは自分とは異質なものを、先入観でなく、思いやりを持って本当の姿で知る必要があります。

  近くの小学校でカブトムシの幼虫を飼ったそうです。白く大きいカブトムシの幼虫を初めて見た子どもらは、興味を持ちながらも、気持ち悪い、汚い、こわいと言って後ずさりしたそうです。誰も触ろうとしません。

  ある日、昆虫の専門家のおじさんが来て、お話を聞く機会がありました。その方が、「皆さん、カブトムシの幼虫を触る時は、手を洗ってください」と言ったそうです。生徒たちは怪訝(けげん)な顔をして、汚いから手を洗うの?とか、バイキンがいっぱいなんでしょ?とか、色々質問したそうです。

  するとその方が、「カブトの幼虫のお肌はとても薄く、傷つきやすいのです。もしバイキンのついた手で触れば、カブトが病気になってしまいます」と言ったのです。

  これを聞いて小学生は驚いたのです。人間が病気になるのでなく、カブトムシが病気になるのか…。カブトこそ、怖がっているんだ。その後は、誰も怖いとか汚いとか言わなくなり、幼虫は赤ちゃんだから、きれいな手で触って、優しくしてあげなければならないのだと、いたわるようになったそうです。

  子どもらは、以前は、先入観から見ていたのですが、この話を聞いて、相手の身になって考える子どもに180度転換したのです。それは大きな変化であったし、子どもたちの大きな成長につながったのです。

  人に対する見方のこういう転換が起こる時、私たちの人生と社会に、また教会にも、多くの美しさが生まれるのではないでしょうか。

         (完)

                                        2014年6月22日


                                        板橋大山教会 上垣 勝



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