平和と喜びは、二つの大きな真珠


               3月11日、西武園(東京東村山)でソメイヨシノが咲き出しました。
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                                        キリストの平和に与る (中)
                                         コロサイ3章12-17節


                              (2)
  さて、「これらすべてに加えて、愛を身に着けなさい。愛は、すべてを完成させるきずなです。また、キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。この平和にあずからせるために、あなたがたは招かれて一つの体とされたのです。いつも感謝していなさい。キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい」とありました。

  先程の5つの賜物に愛を加えなさいと勧めています。私なら面倒臭がって、憐れみの心も、慈愛も、謙遜、柔和、寛容も愛でしょうと言ってしまいそうです。また赦しも愛だと言いそうです。しかしパウロは、これら全てに活きた命を注ぎ込む愛を加えなさいと勧めるのです。

  この愛はエロスの愛ではありません。友情を表すフィロスでもありません。アガペーの愛、神とキリストの真実の愛です。日本では愛というとエロスです。しかもエロスというと性愛、セックスと考えます。しかしエロスは性だけではありません。これは所有愛なのです。奪う愛です。ですから学問もまたエロスです。学者も情報を沢山奪って、自分が中心になって満足し、他を従えさせようとします。エロスは自己を満足させる愛です。

  だが、「愛を加えなさい」と言われる愛はアガペーです。真実な愛、神の聖なる愛です。そういう永遠に滅びない真の本物の愛こそ、憐れみの心と、慈愛と、謙遜、柔和、寛容、また赦しを、真に完成させていくものだからです。なぜなら、私たちの憐れみの心も、慈愛も、謙遜も皆、いつの間にか上辺だけになり、形だけに形骸化しがちだからです。ましてやエロスの愛は奪う愛ですから、最初は愛でも、次第に自分中心の奪う愛に変身しがちです。

  先程は5人の愛らしく、美しい、気品ある5人の娘さんの譬えをしましたが、アガペー、神の永遠の愛こそ、この5人の美しい娘さんの持ち味を完全に発揮させ、完成するようにして下さるものであるということです。あるいは、真の愛こそ、5人の娘さんの共通の徳であり、賜物であると言っていいでしょう。

                              (3)
  次に、「キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。この平和にあずからせるために、あなたがたは招かれて一つの体とされたのです…」云々とありました。

  前にも申しましたが、キリスト教では、「平和と喜び。この2つは福音の真珠」(Br.ロジェ)であると言われます。これらは、キリストの福音が与える美しい、大きな2つの真珠です。平和が与えられると、不安の深淵がしっかりと埋められます。また、喜びを授けられると心の闇が照らされ明るく希望が湧いて来ます。

  平和が命の中心にあれば、人は安心して道を進むことができます。喜びがあれば、どんな所にも小さな希望の芽生えを見つけていけます。

  私たちは誰しも小さな子ども時代があったわけで、子ども時代を忘れてはなりません。私は1年生のAちゃんから本当に教わる日々です。自分で考え出したらしく、今、ことわざ遊びをさせられています。知っていることわざを沢山書いた方が勝ちというのです。書き終わって比べましたら、「笑う門には福来たる」とか、「会うは別れの始め」とか書いていてゲラゲラ笑うんですね。「芸は身を助ける」とも書いていました。しかも大体の意味を言うのですね。おませだなとも思いますが、小さな子どもは何もない所にも遊びを見つけ、喜びや笑いを見つける天才だと思います。

  同じでありませんが、私たちにもこういう日があった筈です。しかし、競争社会の中で世の不安に圧しつけられてしまうと、子ども時代にあった遊び心が萎えてしまうのでしょう。

      (つづく)

                                          2013年3月17日



                                          板橋大山教会   上垣 勝


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