おかしなカラクリ 2つ
行ってみなければわかりません写真では。時々腹に響く遠雷のような音がしていました。富士の裾野は。
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やはり軸足が大事です (上)
ルカ12章13-21節
(1)
群衆の一人がイエス様に、「先生、私にも遺産を分けてくれるように兄弟に言って下さい」と言ったというのです。
多くの人の前で、この男は全く唐突にイエス様に遺産分けの調停を願い出た。今日の箇所は、この男はなぜこんな話を出したんだろうと怪しむ方があると思います。この男は空気が読めない男じゃあないか、頭がちょっとおかしいのでないかと思うわけです。しかし本人は真剣だったのでしょう。
先週、ある教会で北支区連合祈祷会があってAさんが心に残る証をして下さいました。その後茶話会があり、お開きの時に、急にある教会の方が集まったみんなに、「Bさん、北支区の婦人会委員をして下さい。いいでしょう。よろしく」、パチパチと手を叩きまして、Bさん始め皆あっけに取られました。ご本人は真剣かも知れませんが、今日の聖書同様どこか場違いで、どうなさったんだろうと皆、思いました。
ただこの男の身になって考えますと、遺産分けのことで、兄弟に何をどう言えば良いか分からなかったのでしょう。言っても言い返されるとか、言えば言うほど損になるのを経験していたのかも知れません。しかし早く言わなければみんな持っていかれる。そんな気持ちで切羽詰っていたのかも知れません。
彼がそんな事情にあった時に、今日の少し前に書かれているイエス様の言葉を聞いたのでしょう。すなわち4節以下で、「恐れるな」と語られ、「体を殺しても,それ以上何もできない者どもを恐れてはならない」と語られたのです。彼は、ああ、兄弟を恐れる必要はないのだと思ったのでしょう。しかも8節以下では「何をどう言おうかなどと心配してはならない。聖霊がその時に教えて下さる」とおっしゃいましたから、弟子たちの横でジッと聞いていて、彼は、「何をどう言おうかと心配する必要はないんだ」と思って力づけられたと思います。
それで、イエス様に頼めばどうにかなるのでないかと思って、唐突ですが、今心を占めている遺産のことを持ち出したという訳です。
日本でも安倍政権は唐突に、遺産のことを言いましたね。住宅を取得するなら、子どもへの生前贈与は1500万円迄は無税にすると言うのです。全く唐突です。また企業が設備投資をすると10%減税すると言います。ところが生活保護費は1万円以上減らす。あからさまに企業とお金持ち優遇です。笑う人たちがいるでしょうが、悲しむ多くの人たちがいる筈です。
政府は国民に何とかお金を使ってもらいたい。それで、際限ない金融緩和も始まりました。10兆円の追加国債発行でしたか。際限なくお札を印刷するということです。沢山印刷すればお金の価値が下がりますから、国際的には円安になる。すると輸出がしやすくなる。すると企業が黒字になる。今ジャンジャンお金を刷ってますから円安になっています。実体経済はそう膨らんでないのですが。
で、企業が黒字になればサラリーマンの給料が上がる。給料が上がれば物を買い出す。物が買われれば企業の生産が伸びる。こうして日本は活気づくという計算です。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな虫のいい論理です。
非常に人工的です。非常に計算高い企みです。カンフル注射みたいなものです。カンフル注射では本当の体力は回復しません。一時的です。これで本当にうまくいくのですか。どこかおかしいカラクリです。
AKB48とかいう女の子ばかりの歌のグループが世を賑わせています。私は皆目分かりませんでしたが、英字新聞で初めて実態を知りました。あのグループはうぶで清純そうに見えますが、世界でも有数の稼ぎまくっている歌のグループだそうです。
清純さが売りですが、早熟なセクシーさも漂わせています。ああ言うのはランジェリー姿というのでしょうか、無邪気そうな10代の女の子たちが仲良く歌っているっていう感じを出して、若者とオジさんたちを引きつけていますが、確かに10代も何人かいますが、殆ど20才代でした。調べたんです。ここの牧師は暇ですね。
ヒットしている一つの歌詞はこうです。「制服が邪魔をする。もっと自由に愛されたいの。どこかへ連れて行って。知らない世界の向こうへ。制服脱ぎ捨てて、もっと放埒な遊びがしたいの」って訳ですから、歌詞はムンムンする早熟な高校生気分ですが、実際の彼らの体は十分ひねた大人です。ここにも、大人たちの経済のカラクリがあります。むろん、歌っている者も乗せられているような振りして、自ら乗っていっている彼らのカラクリもあるでしょう。持ちつ持たれつです。社会っていうのは、どうなっているんでしょうね。
(つづく)
2013年2月3日
板橋大山教会 上垣 勝
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