ヘロデ大王も用いられた


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                                           額づく3人の学者 (中)
                                           マタイ2章1-12節


                              (2)
  さて、学者たちが導かれた星、星の光は何を意味しているのでしょう。それは実際の星でもありましたが、真理を、神の導きを意味しています。彼らは広大な銀河宇宙、満天の星の中に仄かに真理を指し示すものを直感し、それによって導かれたということでしょう。

  「占星術の学者」というのは、数学、物理、天文学、地学、宗教、哲学、古代の科学者です。確かに科学者の多くは今日でも直感を大切にしています。直感が、数多い情報の中から一つの大切なものを選び出すわけです。キューリー夫人たちもそうでしたし、今年ノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥教授もそういう経験をしているようです。

  確かに神の導きの光は、しばしば僅かな見つけにくい淡い光に似ています。ところがそのような光でありながら、彼らを確実に御子のもとに導いたのです。

  私が言いたいのは、今日の聖書が語ることは、東方の学者たちが星に導かれたように、信仰の光、神の光は、私たちの人生を不思議な力を持って確実にみ子のもとに導くということです。

  星に導かれた彼らは、神が、残忍なヘロデ大王や大祭司や律法学者たちをも用い、不安や恐れや動揺や、悪意や狡猾さ、また真っ赤な嘘さえ用いてキリストへ導かれました。彼らを逆手にとって主のもとへ導かれました。神は、人の手ではどうにもこうにもならないそれらの者たちをも用いて、み子の元へと導いてくださったのです。

  詩篇に、「世界の創造者であり、支配者である方の摂理は深く、またその裁きは窮めがたく、その道は測り難い」とあります。

  クリスマスはこの窮め難い神の知恵が、人類と歴史をご支配下さっていると語っています。仄かですが確実なのです。不安神経症とかパニック症とか。気のせいではないにしても、今の時代を反映しています。それは仄かだが、確実にご支配下さっているお方が見えにくくなって、人間が地球も自然も人生全体も支配できるかのように思わせるところがあるからです。

  しかし、どんなに人間が支配するように見えても必ず神が支配されます。また悪の力より善の力は巨大で、遥かに優っているのです。恐れる必要はないのです

            (つづく)


                                        2012年12月23日


                                        板橋大山教会   上垣 勝


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