天の川で友だち4人と遊んでいました


                                     (文中の川とは異なります。)
                               ・



                                         羊は声を聞き分ける (上)
                                         ヨハネ1章27-28節


                              (1)
  「私の羊は私の声を聞き分ける」ってありましたね。羊さんって知っている?うん、知ってるよね。頭に角があってさ。なかった?そうだっけ?あったよね。そうそう、毛がふさふさしてるんだよね。よく知っているね。フワフワしていて温かいんだよね。

  それで、羊さんは、自分の羊飼いの声を「聞き分ける」んだよ。ああ、「聞き分ける」って、どういうことか分からないものね。幼稚園や保育園で、お母さんたちが何人か集まって何かお話しているでしょ。その時、あなたのお母さんが何かお話したら、自分のお母さんだってわかる?うん、分かるでしょ。それが聞き分けるっていう事なんだよ。

  さあ、ここにはK君とMちゃん、KちゃんにY君、そしてD君がいますね。私の名前は「まさる」って言います。そう、小さい時は「まさるちゃん」とか「まさる君」と呼ばれていました。

  K君は何年生ですか。Mちゃんと同じ1年生。来年になったら2年生ですね。

  じゃあ、私が小学校2年生の時のお話をしましょう。「天の川」って知っていますか。どこにありますか。天にある細かいお星さまの川ですね。

  私はその「天の川」で友達4人と遊んでいました。ハハハ、お空の上の天の川で遊んでいたかって?そうじゃあなくてね、私が小さい頃に住んでいた家の近くに「天の川」という小さな川があったんです。そう、「天の川」っていう名前なんだよ。水はきれいに澄んで、ドジョウやメダカや鮒や鯉、それにエビ。魚たちがいっぱいいましたから、学校から帰ると丸い網を持って、友達とよく魚を獲りに行きました。

  ある日のこと、みんなでワイワイ言いながら、魚を追いかけて、ズボンが濡れたりして、夢中になって魚をとっていると、後ろから突然、「まさる君」という声がしたんです。

  聞きなれない声で「まさる君」って言うでしょ。びっくりして、後ろを振り返ると、道の上に知らないおじさんがニコニコして立っています。そして、「まさる君だろう」と言って、親しそうにニコニコしているんです。まるで私のことを何でもよく知っている人のように、私の目を見て笑っていたんです。

  近所のおじさんじゃあありませんよ。家に来たこともない人です。学校の先生じゃむろんないよ。私の方は知らない人で、全然、会ったことのない人です。私はその人をジッと見つめたまま、どうしてこの人は私を知っているんだろうと、不思議でなりませんでした。

  それからは、3年生になっても、4年生になっても、大人になってからも、その人のことを思い出しました。あの人は誰だったんだろう。どこの人だったんだろう。どうして私の名前を知ってニコニコしていたんだろうって、ね。

                              (2)
  さっき、I さんが聖書を読んで下さいました。そこに、イエス様が、「私は彼らを知っており」と言われたとありましたね。

  私たちはイエス様とお会いしたことはありません。お顔も知りません。お声を聞いたこともありません。でも、「私は彼らを知っており」と言われるのです。「私」というのは、イエス様です。「彼ら」というのは、皆さんのことだし、ここにいる大人の人も含んだ皆のことなんだ。知っているとは、顔も名前も知ってるっていうことです。

  なぜかというと、イエス様は神さまだろ。それで、私たちを造られたからです。そうなんだよ。K君はお母さんから生まれたんだよね。お母さんが和太君を産んでくださった。お母さんが和太君を造ってくれたんじゃないよね。造って下さったのは神様なんだ。造って下さったんだから、神様はあなたを愛しておられる。私たちの顔もお名前も知っておられるんだ。それで、「私は彼らを知っており」って言っておられるんだ。

                              (3)
  私は今も、あの天の川で「まさる君」と言ったおじさんのことを思い出します。そして、自分が、だんだんお爺さんになるにつれて。あれっ?お爺さんじゃあないって?もっと若いって?そう、ありがとう。そうだよね、もっと若いよね。

  でも、だんだん歳をとって来たでしょう。髪の毛が少なくなって来てさ。ハゲて来てさ。すると、あれは、もしかしたらイエス様だったんじゃあないかって。あの時、ニコニコと私に声をかけて下さったのは、きっとイエス様だったに違いないって、思うようになっています。そんなことは絶対ないのですが、そう思うのです。

  皆さんにも、いつかどこかでイエス様が、「K君」とか、「Mちゃん」とか、「Kちゃん」って呼んで下さるかも知れません。その時、羊のように、羊飼いの声を「聞き分ける」人になって下さい。そう、イエス様のお声を聞き分ける人にね。

  (じゃあ、小さい子どもたちはこれで礼拝はおしまいです。どうぞお帰りください。)

         (つづく)

                                    2012年11月11日



                                    板橋大山教会   上垣 勝


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