外国の若いキリスト者は何を考えているの


   アヴィニヨンの演劇祭は毎年40作品ほどが上演され、自主参加の作品は何と1千を越えます。
      そのポスターの数のおびただしいのには、どんなあなたも度肝を抜かれるでしょう。
         メイン会場は旧法王庁と関連施設ですが、自主参加の演劇は町の至るところで行われています。
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                                           互いに平和であれ (上)
                                           Ⅰテサロニケ5章12-13節


                              (序)
  私は時々、私たちと同時代に生きる外国の若いクリスチャンは何を考えているのだろうか、そういう関心をもって世界を見ています。それは、今と、次の時代を担う世界のキリスト者の姿を少しでも知りたいからです。

  そんな中で、私は随分アメリカ人に対して先入観をもっていたと思いました。アメリカ人というと、世界的な大企業で働く人や、先端的な企業、また大農場を経営する人などを想像して、一般の普通の人たちの姿を殆どよく知らなかったと思いました。

  20代のアメリカ人のある女性は、小さな家庭菜園のことを書いていました。両親やお爺ちゃんに教えられてその菜園を作っているそうです。菜園の世話をしていて、種をまき、何もない所からゆっくり命が育って来る素晴らしい有様を見ていると、いつの間にかイエスがお話しなさった種まきの譬えなどを思い出し、黙想にふけっているというのです。

  菜園をしているのは、自分の手で作った野菜を頂き、大地をできるだけ農薬で汚染しないようにするためであり、汗を流して、自分の労働の代価として貴重な食べ物を頂くためですと書いていました。大量生産、大量消費の国と半ばバカにしているところがありますが、アメリカ人の普通の生活は至って健全なのではないかと思いました。むしろ日本人の若い女性や男性が家庭菜園を楽しんでいるというのは、極めてまれでないかと思います。

  また彼女は、自分の知っている幾つかの教会は、安全なものを安心して食べることができるように、あちこちの町にある地域の農園や畑をサポートし支援していること。自給自足とまで行かなくても、できるだけ地域のものは地域で賄えるようにしようとしていると書いていました。

  いわゆる地産地消ということを教会が率先して取り組んでいるということです。アメリカの教会の姿は大統領選選挙との関係で報道されたりしますが、あれは特殊な角度からの見方であって、かえってアメリカへの偏見を加えているかも知れないと思いました。

  また別の青年は、地球上のあらゆるものは、同じ源から生まれている。自分もその大地から生まれたと書いて、人間も動物も木や草も、皆、隠された所で命がつながっている。地球全体の生態系から誰も逃げることはできないと。日本でも最近そういうことが言われますが、やはり同じようなことを考えているようです。

  私たちは万物の霊長というのを錯覚しているが、母なる大地の助けがなければ誰も存在できない。大地は私に依存していない。私が大地に依存している。私がこの地球に唯一できることは、できるだけこれを傷つけないことだというのです。彼も大地を汚染しないことを真剣に考えているわけです。

  彼は、地球ともっと平和な関係をもって生きたい。たとえどんなに小さなことでであっても、環境をもっと守りたいと思う。地球は美しい。それは私たちに与えられた神からのプレゼントだ。と書いていました。

  今、外国の若いキリスト者たちが何を考えているか。もちろん他にも色々な考えの人があるでしょうが、この2人は、今の時代を責任をもって生きようとしていると、素晴らしさを感じながら読みました。

  2千年の歴史を持つ教会はこれまで、その時代、その地域の課題を、神様から頂いた課題として担って来ました。神様から授かった課題と考えると、そこに何かしら希望が生まれますし、それを担って行く喜びも生まれる気がします。時代、時代で違いますが、個々のキリスト者や個々の教会は、その時代に、その地域に対して召されていると言ってよいでしょう。

     (つづく)

                                        2012年8月12日


                                        板橋大山教会   上垣 勝



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