主のみ名こそ輝け


                                             主のみ名こそ輝け (下)
                                             詩編115編1-3節

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  さて、今日は礼拝後、定期教会総会があり、その総会資料に書きましたように、「私たちでなく、主よ、私たちでなく、あなたのみ名こそ、栄え輝きますように。あなたの慈しみとまことによって」は、5カ月にわたってリフォーム工事が行なわれる中で、私自身幾度も心に浮かんだ聖句でした。

  そこに書きましたように、去年の丁度この4月の定期総会の時は、まだ海のものとも山のものとも全く分からなかった建築が、その後どういう建築にするかのアンケートを取り、全体懇談会で耐震補強リフォームをしたいという案が固まってからは、まるで命を得た生き物のように走り出しました。そして7月の臨時総会の全会一致の決議を経て、10月の契約とその月末の着工に向かい全力疾走で駈け出したような感じです。

  しかも墓前礼拝や一泊の夏季集会、それに敬老祝会や子ども祝福式、バザー、クリスマスなど、少しも減らさず行えたのですから本当に不思議です。生き物のようにと言いましたが、設計や見積もりを始め、内外の献金の集まりなど、私たちはただなすべきことをしただけでしたのに、なぜこれ程上首尾に行くのか不思議で今なお不思議です。皆さんどうか、教会建築というのはこんなにうまく行くとは考えないで下さい。板橋大山教会は本当に例外です。まさに、「私たちではなく、主よ、私たちではなく、あなたの御名こそ、栄え輝きますように」との思いです。

  当初予算は総工費2300万円でした。それがこの3月末で献金件数は、教会内;39人、教会外の個人261人に上り、教会は144教会になりました。約450人の個人と教会が建築にかかわって下さったのです。実に有難いことでした。

  私は会堂の窓や壁に、天井や床に、また床下の基礎の部分にも450人の教会と個人の明るい顔があちこちに輝いている気がしています。北海道から沖縄まで、全国から献金が寄せられました。

  3月末の概算は合計○○万円に達しました。当初計画より○○万円も多く集まりました。ですから、現在の総工費は約○○万円程にアップして充実した工事にしました。今後、色んな備品、オルガン修理、ヒムプレーヤーや放送設備の購入が見込まれています。

  私たちの最大の喜びは、負債が一銭も残らず建築終了と同時に完済できることです。借金がないことが一番の喜びです。「貧しい教会」というがこの教会の歌い文句だった筈なのに、本当に不思議です。

  教会・牧師館の耐震強度は格段に改善されました。しかも完成と同時に今回の地震で証明されました。会堂の防音も断熱も十分です。省エネ効果の高い会堂になりました。会堂の雰囲気はどこかに昔の名残をとどめつつも一新しました。外観もある程度改善できました。このような中で、皆さんも、「私たちではなく、主よ、私たちではなく、あなたの御名こそ、栄え輝きますように」との思いをお持ち下されば嬉しく思います。

  不満を言えばむろん切りがないでしょう。教会の2階部分、特に牧師館の書斎や寝室は殆ど改善していません。しかし、これが現在の私たちが将来の方々に継承できる精一杯のリフォームです。パウロが、「私は、自分の置かれた境遇に満足することを習い覚えた」言っています。「足るを知る」信仰をもって進んで行きたいと思います。

  ペンテコステには洗礼者が与えられる嬉しい年でしたし、会堂が壊される1か月前に結婚式が行われ、その兄弟は1月末に転会へと導かれて今は仲良くお二人で礼拝に参加しておられます。これらのことだけをとっても、「あなたの御名こそ、栄え輝きますように」という思いになります。

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  教団のことについては気がかりな事もありますが、イエス・キリストは人間を遥かに超え、世界も宇宙も超えておられます。心配は要りません。人より神を信頼しましょう。人がなす醜いものは必ず行き詰まり、砕かれる時が来ます。

  私たちの日本基督教団は、これまで長く異質な者と対話して相互に創り変えられることを楽しみ、喜んで来ました。異質な他者の尊重は教団の宝です。近年、柔軟さを失い硬直化していますが、これも必ず回復されるでしょう。私たちは聖書が指し示す神を信頼して行きましょう。

  暗い状況の中でも、私たちは主に信頼して、こころ穏やかであるべきです。最も大事な宣教の業に今はひたすら励み、隣人を愛し、穏やかに愛をもって人に接し、主のみ業が働かれることを信頼しつつ進みましょう。このことにおいても、「私たちではなく、主よ、私たちではなく、あなたの御名こそ、栄え輝きますように」という神をあがめる在り方をして行きたいと思います。

  3月11日に大地震津波が東北を襲い、幾万の人命が奪われ、多数の被災者を出し、これまで私たちが指摘し心配していた原発の深刻な事故が起りました。私たちの目からすれば想定内です。しかし土地と家と郷土を何10年も失う可能性がある苦しむ人たちの姿を見ると、何とも言えない思いになります。100万円の仮払いでは何もできません。ソフトバンク孫正義社長は太っ腹で100億円を寄付したそうですが、東電の歴代の社長や重役はそれぞれ孫社長を上回る、何100億円いや何千億円かを寄付するでしょうか。これらの方々は、身上を潰す程の財産を差し出さなければ恐らく誰も納得しないでしょう。

  「互いに重荷を負い合いなさい」とある聖書の言葉は、ここでも妥当します。私たちも被災者の方々の苦難をできるだけ私たちの課題としたいと思います。その一環として去年のバザー売上から20万円の献金を送り、現在募金中の被災者救援募金も10数万円送り、その他にも幾らかを足して救援に捧げさせて頂こうとしています。貧者の一灯ですがお使いいただこうと思っています。

  キリストは必ずその方々と苦しみを共にしておられます。この試練の中で、教会総会をもって新しい年度を始めようとしている被災地の諸教会のために祈りましょう。

         (完)

                                         2011年4月17日


                                     板橋大山教会   上垣 勝


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