原発: 万事が益となる、か?


                           
                 地震の夜、渋滞する川越街道と後を絶たず帰宅を急ぐ人々の流れ
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                                              万事が益となるか? (下)
                                              ローマ8章26‐28節


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  だが今日は、「万事が益となるか?」です。

  今、世界の人たちが注目しているのは、1号機から4号機までの原発です。地震は自然災害です。だが原発の成り行き次第では、世界を震撼(しんかん)させる恐ろしい人災になるでしょう。

  女性の皆さんは今も余震がよく起こって、怖がっている人もあるようです。だが、安心下さい。震度5以上のものはもう来ないでしょう。しばしば余震は起こりますが、この際地震に慣れて「強い女」になって下さい。地震など怖くありません。本当に怖いのは原子力発電です。

  地震津波原発のトラブル。こうした中で外国の10人程の方から立て続けにメールを頂きました。先ずはアイルランドの夫妻、その教会の友人、イギリスから2人、ドイツから、イタリアから、チェコから、この方とは何度もメールのやり取りをしています。チェコチェルノブイリに近いからその怖さを知っておられます。ミャンマーの若い人からも来ました。何人かは献金を募りましょうかと、相談を受けています。

  昨日、やっと2号機の電源が復旧したそうですが、一番肝心な炉心部分のトラブルはどの原発もまだまだ解決しません。外国人は逃げる人もあるようですが、私は今からパニックになってはならないと思います。まだ東京はそんな状態ではありません。安心して生活していいでしょう。ただ、よく監視していなければなりません。爆発すれば、風向きによっては一挙に東京まで高濃度の放射能が飛んで来ます。ただ今はそういう状態ではない。

  今、最も必要なのは、正しい情報を、隠さず国民に提供すべきだということです。そうするなら、「万事が益となる」ということも起こる可能性もあります。

  私が申し上げようとしているのは、今は当然隠してはならないが、今後にわたる東京電力原子力発電発開発会社のことです。というのは、東京電力はこれまで何回も事実を隠し、過小評価したり、データーを誤魔化して書き変えて来たのです。数字を誤魔化して書き換えて報告して来たのです。

  今、新聞やテレビの報道が人々を安心させようとできるだけ厳しい見方を避けています。ですから、外国の新聞に目を通すとむしろ実態が分ったりします。外国の新聞は、東京電力原発関連の腐った体質を厳しく指摘しています。また、ウイキリークスで明らかになったこととして、2年程前にIAEA国際原子力機関は、日本に対し大地震の場合の勧告を出していたことを報じています。

  私が言いたいことは、東京電力原子力安全委員会保安院も政府も、国民を欺くなら、「万事が益となる、か?」「ならぬ」ということが、必ず起こるでしょう。しかし情報を隠さず、国民に提供するなら、全てのことが用いられて「万事が益となる」かも知れません。

  危険を冒して消防活動が為されています。その総隊長が、今から出動しますと奥さんにメールを打った。すると奥さんから、「日本の救世主になって下さい」という一言が返って来たそうですね。

  発想は少しおかしいかも知れませんが、私の率直な思いは、東京電力の社長や原発担当重役の奥さんたちが立ちあがって、ご主人に、「事実を事実として公表しなさい。そうしないと離婚しますよ。日本の救世主になって下さい」というようなことを言って欲しいと思います。そういう真に品位ある奥さんが現れて欲しい。真に国を愛する愛国者とはそういう人です。

  今は一企業の存続問題でなく、先週皆さんにチェルノブイリの被害者の写真をお見せしましたが、1基でも爆発すれば、日本が存続するか否かの瀬戸際にあり、世界の人に肉体的、精神的、金銭的な深刻な打撃を与える所に至っているからです。

  このような時にも、事実を隠ぺいして、自己保身に走るのか、それとも事実を事実として白日のもとに曝して、問題解決に当たるのかです。

  消火活動や注水活動をしている人たちは放射能の危険を冒して行っています。小規模の町工場なら、社長自ら現場に行って問題解決に当たるでしょう。本来なら東電の社長や原発の責任重役が現場で、従業員と一緒に放射線を浴びつつ、事態を食い止めなければならない。それ程のことです。


  今日の聖書を読むと、「神を愛する者たち、つまり、ご計画に従って召された者たちには、万事が益になるように共に働くということを、私たちは知っています」とあります。

  「神を愛する者たち」「ご計画に従って召された者たちには」ということが大事です。神を愛するとは、神様の前に何の隠し事もなく立つ者たちです。神を畏れ、敬う故に、またキリストを賛美し、ただ神の栄光のためにということを願う故に、自分が損になっても誤魔化さず、事実の上にのみ立って生きる者たちであることです。

  真理に透明である姿勢です。そのようなことが起こるなら、このトラブルも用いられて、万事が益となるに違いありません。このことは日本全体に問われていることでもあります。

         (完)


                                         2011年3月20日


                                     板橋大山教会   上垣 勝


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