住職の奥さんがクリスチャン


                    今日は半そでになってウオーキングに出かけました
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                                              新しい人を身に着けて (下)
                                              コロサイ2章20節―3章11節


                              (3)
  最後に、5節に「偶像礼拝」ということが言われています。2章20節では、「あなた方は、キリストと共に死んで、世を支配する諸霊とは何の関係もないのなら、何故、まだ世に属しているかのように生き」るのか、と言われています。このことから考えさせられることをお話します。

  どんな方か知りませんが、ある印刷物でひとりの婦人の証しを読みました。それなりに立派な証しであると思います。20節の、「世を支配する諸霊とは何の関係もない」と言われていることに模範的に従っていらっしゃるように思えました。

  掻い摘んで言いますと、「自分は60代になって信仰に入った。だが長年の生活で染み付いた仏教行事への妥協が心に残っていた。いつも言い訳を見つけて妥協の道を進んでいた。しかしだんだん落ち着かなくなり、苦しくなって、遂に先祖代々のお寺にあるお墓をやめ、お寺と決別し、新しく墓地を購入した。法事でなく、キリスト教式で記念会を行なうことにした。激しく反対する親戚や困惑する関係者もあったが、今後の私の生き方で理解してもらおうと思っている。自分は洗礼を受けていながら、イエス様より人の目を恐れて、イエスを信じたことも話せないで来たが、自分の弱さを示されてこの決断をしたのである。」

  今申しましたように、模範的な信仰者でいらっしゃいます。しかし私の考えでは、この方の模範も律法にしてはならないと思います。これがキリスト教の掟になると困ります。お墓がお寺にあってもいいでしょう。むしろお寺にお墓があるという家の歴史を担って生きながら、幅のある信仰者の道を歩く人があってもいいと思います。それはそれぞれの人にとって自由です。自由であってよいと思います。

  むろんこの方のような道があってもいいでしょう。その方がすっきりするでしょう。しかし、自由だと言うのは、それは人それぞれの状況によるのであって、一番大事なのは、お墓をお寺から移すことではない。もっと大切なのは、自分がキリストを信じて生きていることを、できれば家族にも親戚にも素直に話せることです。その喜びを伝えることです。

  お墓の場所でなく、信仰において既にお寺を越え、キリストを信じていることを自然に話せるようになることが先です。

  信仰は脅迫ではありません。神は押しつけられません。キリスト者が自分のお葬式をお寺でするのはおかしいことですが、家族が仏教徒である場合、そのお葬式をお寺でするのはごく自然なことです。それはその家族への愛からしているのであって、偶像礼拝をするわけではありませんし、「世を支配する諸霊」ストイケアを礼拝することになるわけでもないでしょう。

  マザー・テレサさんはイスラム教で死んだ人をイスラム教で葬り、ヒンズーで亡くなった人はヒンズーでお葬式をしました。それは偶像崇拝ではありません。

  前に申しましたが、私の知るある教会には、お寺の住職の奥さんがキリスト者になっておられます。京都のれっきとしたお寺の住職夫人です。ですからお寺の法事には住職の奥さんとして務めを果たされます。間違ってはなりません。そういうことも赦されているのがキリスト教です。信仰が違うから即離婚だなんて、キリスト教はそんなことを考えません。

  「キリストはすべての支配と権威の頭」なのです。「キリストがすべてであり、全てのものの内におられる」のです。ですから、大胆、寛容、太っ腹、かつ自由であっていいのではないでしょうか。

  今日の個所は、キリスト教徒の狭い、固い、狭量なあり方を勧めているのではありません。むしろ、日常生活の懐の深い生き方、あり方です。「古い人を脱ぎ捨て」、「新しい人を身に着けて、日々新たにされ」、上にあるもの、復活のキリストに心を留めて、自分をキリストに献げることをしていきたいと思います。

         (完)


                                       2011年2月6日


                                      板橋大山教会   上垣 勝


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