愛の源はどこに (2)


                          教会のお庭から見たトゥーン城。
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                                              愛の源はどこに (2)
                                              ヨハネ13章31-35節
  
  
  
                                 (2)
  さて32節は、「神が人の子によって栄光をお受けになったのであれば、神もご自身によって人の子に栄光をお与えになる」とあります。

  イエスはへりくだって人々に仕え、十字架の死に至るまでの愛を示されました。その事によって神に栄光を帰されました。とすれば、神ご自身も、人の子イエスに栄光をお与えになる。

  何によってかというと、第1に、父なる神ご自身が、御独り子、み子を人間の救いのためにお捨てになることによってです。皆さんが一人っ子をお持ちになっているとして、その一人子を、捨ててまでして他者を愛することがお出来になるでしょうか。到底難しい。その神の痛みの中に、父なる神の愛の輝き、誉れ、神の栄光が輝いています。み子イエスもご自分をお捨てになりますが、神が人間の救済のためにみ子をお捨てになるから、そのみ心に従ってイエスはご自分を捨てになられるのです。

  第2に、イエスを復活させる事によってです。死人の中から高く引き上げることによって、栄光をお与えになります。

  それは、復活のイエスが今後、いついかなる時、どんな人にも、神を求める人に愛を与えることができるようになるためです。霊のキリスト、復活のキリストにいかなる人も出会えるように甦らされるのです。

  これらのことは、「神はその独り子をお与えになったほどに、世を愛された。それは、み子を信じる者が、一人も滅びないで、永遠の命を得るためである」と、ヨハネ3章で語られている通りです。復活のキリストにおいて永遠の命に与るためです。

                                 (3)
  さて次に、「子たちよ、今しばらく、私はあなたがたと共にいる。あなたがたは捜すだろう」とあります。

  イエス様は、ご自分の死によって、弟子たちが悲しみ、当惑しながらイエス様を捜すことを知っておられたのでしょう。それで、今後どこへ行けばイエスにお会いできるのかを語ろうとされたのです。イエスの死後、どこでイエス・キリストに出会えるのかです。

  そしてこう言われました。「『私が行く所にあなたがたは来ることができない』と、ユダヤ人たちに言ったように、今、あなたがたにも同じことを言っておく。」こう言われて、続けて、「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。私があなた方を愛したように、あなた方も互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによって、あなた方が私の弟子であることを、皆が知るようになる」と言われました。

  どこで復活のキリストに出会い、どこで愛のキリストに出会うのでしょう。

  ① それは、遠くの世界、また選ばれた少数の人しか行けない世界ではありません。そうではなくて、弟子たちが互いに愛し合う、その愛の中にキリストが共におられるということです。弟子たちの「慈しみと愛のあるところに、神が共にいます」というテゼの歌がありますが、そこに神が、キリストがおられます。

  礼拝後やその他での教会の人々の交わりが大切なのはそこにあります。キリストを信じる人々の間に、キリストがおられるからです。

  ② 愛し、仕え合っている弟子たち。彼らはその前に、「キリストと交わっている弟子たち」です。だからこそ弟子たちの背後におられ、只中におられるキリストと出会えるのです。

  この前に申しましたが、私たちはキリストを中心にして、キリストを取り囲む円周上にいます。それで、中心におられるキリストに近づけば近づくほど、互いに近づくのです。単に互いに近づこうとしても、かえってアラが見えます。衝突しますよ。そんなことでは教会に仲良しグループが生まれるだけです。仲良しグループが生まれるという事は、そこに入れない人たちも生まれます。だが、私たちの真ん中のキリストに近づく時、互いに根本的な近さにあるのです。お分かりでしょうか。

         (つづく)

                                 2010年2月21日


                                     板橋大山教会   上垣 勝

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